ドメイン名登録サービスを提供するVeriSignは、ウェブアドレスが誤って入力された場合に自社サイトにリダイレクトするのは正しいという主張について、誰にも納得してもらえなかったようだ。
米連邦地裁判事は米国時間26日、インターネットのインフラを管理する団体Internet Corporation for Assigned Names and Numbers (ICANN) がVeriSignの「Site Finder」サービスを禁止するよう求めているのは、米国の独占禁止法違反にあたるとする同社の訴えを却下した。VeriSignはこれまで、自社の競合企業がICANNの役員に助言を行い、Site Finderサービスに関する同社の計画を阻止することに成功したと主張していた。
しかし、カリフォルニア州中部地方裁判所のA. Howard Matz判事は、VeriSignのこの主張は筋が通らないという。
「VeriSignの主張は不十分だ。助言者のグループの考えを考慮したり、あるいは積極的に彼らの意見を求めるような『ボトムアップ』式のポリシー策定プロセスには、謀議の可能性を示唆するところはない」と同判事は16ページからなる意見書のなかで述べている。
同地裁によるこの判断は、自社の計画について支持を得ようと試みているVeriSignにとって新たな打撃となる。同社は「.com」および「.net」ドメイン用のデータベース管理について、政府が同社に認めた独占権を利用し、利益の増大を図ろうとする計画を打ち出している。同社にコメントを求めようとしたが、すぐには関係者と連絡をとることができなかった。
VeriSignは昨年9月に、新たに立ち上げたSite Finderプログラムを通して、誤ったウェブアドレスや存在しないドメイン名が入力された際に、このアクセスを自社サイトにリダイレクトするサービスを一時的に提供した。だが、このやり方が一部の電子メール用ユーティリティソフトを混乱させたため、同社はこれに不満を抱いたネットワーク管理者らから激しい非難を浴びせられた。なかには、「.com」および「.net」ドメインのマスターデータベース管理者として、政府の認めた独占状態を享受する同社が、 Site Finderサイトに広告を掲載することで、ネットユーザーの入力ミスを自社の利益に変えようとしている、との批判もあがっていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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