英政府が、職場の同僚宛てに送られた「冗談」メールが全く別の人に届くという痛ましい状況を解決するための新規則の策定を企業に義務付ける。
英通商産業省(DTI)は10月1日から英国内の企業に対し、従業員の解雇/懲戒に関する問題に対応するための苦情処理手続きを法に従って策定することを義務付ける。この職場規定の目的は、円滑なコミュニケーションの促進にある。
DTIは今回の新規則の施行に先立ち、最近行った雇用に関する調査結果を発表した。それによると、英国内の企業に勤務する従業員のおよそ10人に1人が電子メールの送信先を誤った経験があるという。また同調査では、女性よりも男性の方がこのミスを犯しやすいことが分かった。
また同省によると、ロンドンで働く全従業員のおよそ4分の1が、「ユーモアのある」メールを同僚に送ったところ、面白さを理解できなかったとして苦情を言われた経験があるという。
DTIが紛争に関する新規則の施行に先立ってこれらの調査結果を発表した目的は、現代の職場においては効率的なコミュニケーションが必要不可欠であることを明確化させることにあった。
「電子メールは企業にとって大変役立つツールだが、文の調子や送るタイミングを誤ると個人レベルでコミュニケーションの断絶を招く可能性がある」と語るのは、DTIの雇用関係担当大臣Gerry Sutcliffeだ。
「多くの企業にはすでに解雇/懲戒の手続きに関する規則が存在するが、そのような規則がない企業には、不要なコストやストレスを確実に回避する上で、この新規則が役立つだろう」(Sutcliffe)
多くの経営者は、たとえ争いが生じてもなかなか行動を起こそうとしない、とDTIは指摘する。以前実施した調査では、3件に1件の割合で、問題について議論すら行われていないことがわかった。
その結果、英国では昨年、セクハラや賃金など、雇用に関する様々な問題をめぐる紛争を解決するための裁判が11万5000件も開かれた。
この調査結果は、常勤、非常勤従業員合わせて1000人を対象にDTIが実施した世論調査の結果に基づき、British Marketing Research Bureauがまとめたものだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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