Microsoftのある幹部の話によると、同社は多様な文化を熟知していなかったことが原因で、数百万ドルの損害を被ったという。
Microsoftは、世界でも有数の規模を持ついくつかの市場で、自社の製品が発売禁止になるのを目にした。それらはすべて、一見些細に思える理由から起こったことだ。つまり、たとえば、わずか8ピクセル分の色の選択を間違ったり、音楽の選び方がまずかったり、あるいはできの悪い英西辞書を使ってしまったせいだった。
米国時間18日、イギリスのグラスゴーで開催されたInternational Geographical Unionの会議で講演したMicrosoftのTom Edwardsという幹部は、世界有数の大企業である同社がソフトウェアに関する手違いから、世界有数の規模を誇る国を怒らせた経緯を明らかにした。
その1つは、Microsoftがインドの地図を彩色した際に起こった話だ。全体で80万ピクセルから成るこの地図の上で、紛争地域のカシミールを示すため、同社はその部分に該当する8ピクセルに濃さの違う緑色を使用した。ところが、濃さの違いはカシミールがインド領でないことを示すと見なされて、同製品はインド国内で即座に発売中止となってしまった。同社では、問題のWindows 95について20万本すべてを回収し、外交上の傷を癒そうとしたという。 「これには数百万ドルの回収費用がかかった」(Edwards)
Microsoftがしでかした別の大失敗は、コーランの旋律をコンピュータゲームのサウンドトラックに使用し、サウジアラビア政府の怒りを招いたというものだった。同社はこの失敗の後に、問題の指摘されたバージョンを回収しないまま、この旋律を含まない新バージョンを出した。これは、ミスが見つからないだろうとの米国スタッフの判断からだったが、サウジ政府はこのゲームを発売禁止とし、謝罪を要求してきた。Microsoftはこれを受け、このゲームを回収した。
同社はまた、イスラム戦士が教会をモスクに変えてしまう新しいゲームを作成し、サウジアラビア国民をさらに怒らせた。当然このゲームも回収になった。
またMicrosofが、女性全員と複数の国家を憤慨させたこともある。中南米市場向けにつくられたスペイン語バージョンのWindows XPが、ユーザーの性別を尋ねるときの選択肢として、「無回答」「男性」、そして「メス("bitch")」に相当する言葉を表示してしまったのだが、この原因は翻訳ミスだった。
Microsoftではまた、同社の不適切な外交スタイルの影響が、韓国、クルジスタン、ウルグアイ、そして中国にも及んだことも明らかにした。中国では、地図製作上の論争から中国人社員が当局の前で逮捕されてしまった。
Edwardsは、このようなミスを回避するため、現在はスタッフメンバーに地理を学習させていることを明らかにした。
「いかに優秀でも、なかには外国のことをあまりに知らない社員がいる」(Edwards)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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