Roxioが米国時間9日、コンシューマソフトウェア部門を8000万ドルで売却すると発表し、今後はNapsterデジタル音楽事業に専念していくと述べた。
Roxioは、かつてファイルスワッピング分野で革命を起こしたNapsterをおよそ2年前に買収したが、そのブランド力にあやかるため、社名をNapsterに正式に改める予定だ。この9カ月間、Roxioは有料のデジタル音楽ダウンロードとサブスクリプションサービスとしてNapsterを運営し、Apple ComputerのiTunesと一部で競合してきた。
今回の決定は、同社のイメージと戦略の観点から見て、劇的かつ急速な変化を意味する。Roxioはかつて、ユーザーがCDを焼くのを支援するソフトで業界をリードしたが、iTunesのような他のソフトウェアプログラムがCD作成機能を備えるようになったため、事業が振るわなくなってしまった。
しかし、デジタル音楽事業そのものは、大いに成長が期待されている。売上に関しては、iTunesに大きく水をあけられているが、Napster部門は四半期あたり約790万ドルの売上を計上しており、年間では3000〜4000万ドルの売上げを達成しそうな勢いだ。
「今回の発表で、われわれはコンシューマテクノロジー市場で最も話題を集めている分野の1つに特化した、資金力のあるプレイヤーになる」と、同社の最高経営責任者(CEO)Chris Gorogは述べた。
コンシューマソフトウェア事業をSonic Solutionsに売却するという今回の契約によって、スリムな会社に生まれ変わった同社は1億3000万ドル近いを現金を元手に、デジタル音楽事業のマーケティングと開発に専念することになる。
ソフトウェア部門の売却を発表した電話会議のなかで、同社幹部は、過去9カ月の実績について詳しく説明した。
同社の売上の半分以上は、AppleのiTunesが提供するような一曲ごとのダウンロードサービスではなく、毎月のサブスクリプションサービスによってもたらされると、Roxio幹部は述べる。また、同社は、NapsterブランドのMP3プレイヤーを提携先に販売することで110万ドル近い収入を得た。
同社によると、一曲ごとのダウンロードサービスの粗利益はわずが10%だが、サブスクリプションサービスの場合は粗利益が40%近いという。
また、Roxio幹部は、6校以上の大学にNapsterサブスクリプションサービスを提供することで、ここ数カ月のあいだに大学という市場を開拓したと述べた。しかし、これらの学生向けのサービスは採算を度外視しているため、Napsterの収益にはほとんど貢献していないと、Gorogは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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