マクロミルとITCネットワークは21日、携帯電話を活用したリサーチサービスMobileMill(モバイルミル)を共同で展開すると発表した。携帯電話を利用することで、「PC上でのリサーチ以上にリアルタイムの消費行動を調査することができる」と、マクロミル 取締役CIO ビジネス開発本部長の柴田聡氏は新サービスのコンセプトについて説明した。
MobileMillでは、2通りのリサーチ方法を提案する。まずはマクロミルのモニター会員を活用したクローズド型の調査だ。同社は現在、全国で22万人のネットリサーチモニター会員を抱えており、そのなかで携帯電話を利用した調査にも協力すると了承している会員が約4万3000人存在する。この会員を対象に専用URLを送付してクローズド型の調査を行い、店頭での商品購入直後に比較検討した商品などをリアルタイム調査したり、映画の試写会での印象をその場で調査したりする。
マクロミル 取締役CIO ビジネス開発本部長の柴田聡氏 |
もうひとつはオープン型の調査で、例えば街頭で配布するサンプル商品に、アンケート回答してもらうための空メールアドレスを記載してアンケートに誘導するといった方法が取られる。マクロミルではこれまで広告代理店や消費財メーカーなどが主な顧客となっていたが、このオープン型のモバイル調査では、イベントの反響調査や流通チェーン店の顧客満足度を計るといった調査も可能となるため、新たな顧客開拓も望めるとしている。
マクロミルとITCネットワークでは、MobileMillサービスの提供にあたって、マクロミルが独自開発した自動リサーチシステムAIRs(Automatic Internet Research System)をベースとしたモバイルインターネット専用のリサーチシステムを共同開発している。AIRsは、調査票作成や調査対象者抽出、リアルタイム集計、納品データの生成などが自動的に行えるというものだが、携帯電話を対象としたサービスに向け、商品のバーコードの情報(JANコード)をモニターが入力することにより購入商品を判別して質問を表示する機能や、画面の表示を最小限にするため、手前の質問内容によって必要な選択肢のみを表示する機能なども備えている。
このシステムを利用することで、「モバイルリサーチを行っている競合他社の半分以下の価格でサービスを提供することができる」と柴田氏。MobileMillの価格は、クローズド型調査の場合、質問数5問・100サンプル回収で5万円から、オープン型調査の場合、質問数5問・30日間の利用で5万円からだ。柴田氏は、初年度の売上目標を1億円としている。
今後は、マクロミルのモニター会員のみならず、携帯端末の販売を手がけているITCネットワークの販売網も利用し、モバイル独自の会員の募集も検討していくという。また、将来的には非接触型ICチップ端末にも対応させる予定で、「携帯端末をかざすだけでアンケートへ誘導できるインターフェースを開発し、購買データとアンケートデータの連動による新しい購買行動分析サービスができるようになるだろう」と柴田氏は述べた。
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