ドリコムは6月23日、ニュースおよびBlogの検索サイト「News & Blog Search(仮称)β版」を開始する。現在Googleが英語版でのみ提供しているGoogle Newsのように、検索エンジンを用いてニュースのヘッドラインを集めたニュースのポータルサイトとなる。同サイトは、同日正午にオープンする予定。
News & Blog Searchの研究は、ドリコムと立命館大学の共同プロジェクトとして2002年9月に開始した。同大学教授の小柳滋氏による独自のデータマイニング技術、マトリクスクラスタリングを応用し、コンテンツの関連づけやパーソナライズ機能を同サイト上で実現する。マトリクスクラスタリングとは、データ内に存在する単語や要素の共通点の多さで他のデータとの関連性の高さを判断する手法だ。
ドリコム代表取締役兼CEO、内藤裕紀氏 |
News & Blog Searchでは、ニュースとBlogで注目されている話題が、記事とキーワードでまとめて表示される。各ニュースには関連記事が表示できるリンクがあり、そのリンクをたどるとそれぞれのニュースの関連記事およびそのニュースに対するBlogコメントの一覧が表示される。Blogも検索対象とするのは、「そのニュースへの多様な見解や口コミ情報、さらにはより深い情報が得られることもあるため」(ドリコム代表取締役兼CEO、内藤裕紀氏)としている。
同サイトはパーソナライズ機能を駆使しており、ユーザーはサイトを使いこなせば使いこなすほどより自分の好みに合ったニュースを表示できるようになる。Googleのパーソナライズ機能は、年齢、性別といった個人の属性を基に検索結果がパーソナライズされるものだが、「この方法だと個人情報をユーザー自らが提供しなくてはならないため、ユーザーにとってハードルが高くなる。News & Blog Searchのパーソナライズ機能は、ユーザーの行動履歴により自動的にパーソナライズされるものなので、登録などの手間もなくこの機能を利用できる」と内藤氏は説明する。
内藤氏は現状の検索サービスについて、「検索を行っても実際にユーザーが閲覧するページは数ページのため、他はゴミ情報となってしまっている。これは検索結果があまりにも多くて的を絞りきれないためだ。ページのランク付けも、現在の検索エンジンではユーザーニーズに基づいたランク付けではなく、いかにページ同士がリンクされているかといった手法が取られているため、ユーザーはなかなか必要なページにたどりつけない」と述べる。「われわれが提供するのは、カテゴリー別に分類された検索結果だ。クラスタリング技術で検索結果をカテゴリーに分け、そこから関連カテゴリーをクリックしつつ検索結果を絞り込んでいく。検索ワードを複数入力しなくても、徐々に的確な情報に近づけるため、初心者でも簡単に詳細情報にたどりつくことができる」(内藤氏)
内藤氏は、このサービスで「キーワード検索の次を行くサービスを提案したい」と述べる。現在はニュースとBlogの検索のみだが、「今後この技術を利用して、商品情報や求人情報の検索サービスも提供する予定」としている。ドリコムでは、大手ポータルサイトやネット広告代理店にも同技術を提供する予定だという。
今年9月にドリコムは、同社子会社として検索技術を中心とした研究開発を行う新会社を設立する予定。Googleも今年秋には日本で研究開発センターを開設するとしているが、内藤氏はGoogleを脅威とは感じていない様子だ。「検索における表記の揺れなど、キーワード検索には日本語独特の課題があるのも事実。だがドリコムでは、パーソナライズ機能などを充実させ、別の方向から使いやすい次世代検索技術を提供していきたい」と語る。「新会社では、次世代はこうなる、という未来像を提案することも含め、様々な研究を行いたい」と内藤氏は述べ、この業界でリーダーをめざす考えを示した。
News & Blog Search(23日正午オープン)
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