Yahooは米国時間15日より、無料電子メールサービスのユーザーに対して100Mバイトのストレージ容量を提供し始める予定だ。この変更は、同社のメールサービスを全面的に見直す取組みの一環として行われる。
無料サービスのストレージ容量が100Mバイトに引き上げられたことに加え、有料サービスのMail Plusの容量も2Gバイトに引き上げられた。また、Mail Plusの年間利用料は29.99ドルから19.99ドルに下げられた。POPメール転送などのオプションサービスは、このプランに統合され、今後、独立したサービスとしては提供されなくなる。
容量の増加は、別段驚くには値しない。Yahooにとって最大のライバルであるGoogleは、1Gバイトものストレージ容量を誇る無料電子メールサービス「Gmail」を提供する予定であることを今年4月に発表している。Gmailサービスの概要が発表されたことによって、ユーザーをとりまく無料電子メールサービスの状況は一変した。しかし、Googleが、電子メールのメッセージをスキャンして、その内容に基づいた広告を提供することを決定したため、プライバシーに対する懸念も同時に高まっている。こうした状況を受けて、Yahoo幹部は先月、メールサービスの全面的な見直しの一環としてストレージ容量を拡大する予定だと発表した。
Yahooコミュニケーション製品担当バイスプレジデントのBrad Garlinghouseは、今回の変更について、「電子メールの容量をユーザーが気にしなくて済むように」する目的で行ったと述べた。同時にライバルとの競争も変更要因の1つであることも認めている。
「新しいライバルが出現するなかで、われわれが重点的に取り組んでいる内容が、ユーザーにとっても重要な項目であることを確認したかった」(Garlinghouse)
このようにストレージ容量が引き上げられたことは、Yahooが戦略的な転換を図っていることを意味する。2002年にYahooは、フォトやブリーフケースサービスに対し、データ保管容量に応じてサービス料が決定する課金体系を適用し始めた。また当時、無料電子メールサービスの新規メンバーに割り当てるストレージ容量を6Mバイトから4Mバイトに引き下げている。
今回の変更によって、ユーザーはこれまでよりも多くの電子メールを保存できるようになるが、そのほかの変更は見栄えに関するものが多い。たとえば、変更後のサービスでは、ページの最上部にあるメール検索バーの存在が強調されている。Googleと異なり、Yahooの検索バーは、広告を掲載するために使われることはないが、埋もれてしまったメッセージをより簡単に見つけ出すうえで役に立つ。
またGarlinghouseは、同社が保管する5000万におよぶIDを解放することを明らかにした。これにより、これまで休止状態にあったIDをユーザーがまた利用できるようになる。Yahooはこれまで、使用済みのユーザーIDを6カ月間休止させてから再利用するというポリシーをとってきたが、このことについて「非常に保守的なアプローチだった」とGarlinghouseは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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