スペインのインターネット企業Terra Lycosが、同社の米国でのインターネット事業売却の可能性を探るため、投資銀行Lehman Brothersを雇ったという。これは、CNET News.comが入手した文書から明らかになったもので、売却対象のなかには同社の顔ともいえるLycos.comも含まれるという。
マサチューセッツ州ウォルサムに拠点を置く同部門の売却が決まれば、ITバブル絶頂期の2000年に合併が決まったLycosとTerra Networksの関係が終わりを迎えることになる。当時Terra Networksは125億ドルを投じてLycosを買収した。Lehman Brothersが作成した文書によると、オンライン広告への支出が回復するなかで、現在TerraはLycos部門の引き取り手を探し、自らはスペイン語及びポルトガル語の事業に専念するという。なおこの文書は、数週間前から有望な買い手の間で回覧されている。
「主要なインターネット検索およびコンテンツサイトで、現在売りに出されているものはほとんどないが、そうしたなかでLycosを買収すれば、他に類を見ない価値創造の機会を手に入れることになる。現在広告予算は増加しており、オンラインの有料コンテンツは広く受け入れられつつある。さらに、急速に成長している検索エンジン市場での(企業の)整理統合には、株式市場が好ましい反応を示している」と、同文書には記されている。
Terra Lycosは、現金もしくは流動性の高い株式と交換でLycosを売却したいと考えている。売却価格は示されていないが、この件に詳しい情報筋によると、Terra Lycosは2億ドルでLycosを売却することを検討中で、この金額は同サイトが2003年に生み出した収入見込み額9800万ドルをベースにはじき出したものだという。
インターネット企業の復活
Lycos売却に向けた動きは、オンライン広告市場での収益改善と自信回復を追い風に、インターネット関連企業の繁栄が戻ってきたことを示す最新の証拠といえる。今週はインターネット検索エンジンの大手Googleが株式公開(IPO)の計画を発表すると見られており、この分野の話題はさらに盛り上がるだろう。GoogleがIPOを発表すれば、ドットコム企業をめぐる買収の動きが再び活発化する可能性がある。
1990年代後半のような状況に逆戻りすると考える者は少ない。当時は、利益もあげていないインターネット関連企業が、数十億ドルもの値段で取引されていた(すくなくとも株価の上ではそうだった)。しかし、インターネット企業に対する期待は戻りつつあり、とりわけウェブ検索を手がける企業に関してはこの点が顕著だ。
これまでのところ、企業買収の面で他社をリードしているのはYahooで、27億9000万ドルの軍資金を使って、米国内外の複数の企業を買収してきた。同社は昨年、有料インターネット検索企業Overture Servicesを約16億ドル、フランスの比較購入サイトKelkooを5億7900億ドル、そして中国のインターネット検索企業である3721 Network Softwareを1億2000万ドルで買収した。
有料検索ビジネスの成功で、インターネット検索企業の株価は急騰している。ほぼ無名の企業の株価も同様で、たとえばMamma.comという企業の株価は、3月前半時点の2ドル台から、その後10ドル以上へと大幅に上昇した。Mamma.comは、ITバブルに乗じた投資家のなかでも別格の存在であるMark Cubanがバックについている。同氏は1999年に自らが経営していた新興企業Broadcast.comをYahooに売り渡し、50億ドル以上の価値をもつ株式を手に入れ、その株式をほぼ最高値で売り抜いた人物である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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