The New York Times紙のウェブサイトが14日付けで報じたところでは、RealNetworks最高経営責任者(CEO)のRob Glaserが、音楽分野で競合するApple CEOのSteve Jobsに、対Microsoftを想定した「戦術的同盟」関係を結ぶよう申し入れたという。
同紙はこの記事のなかで、GlazerがJobsに宛てた4月9日付けの電子メールに触れ、GlazerがJobsに対してApple独自のDRM技術「Fairplay」をRealにライセンスするよう求めたと伝えている。
この記事の説明によると、現在両社のソフトウェアには、AACという同じ圧縮フォーマットが採用されているが、ただしRealのRhapsody音楽配信サービスや同社の音楽販売サイトで提供されている曲にはFairplayとの互換性がなく、Appleの人気の高い音楽プレイヤー「iPod」で再生することができないという。
もしこの提案が受け入れられて、両社の同盟が実現すれば、Realの音楽配信サービスの顧客にも、iPod利用の道が開けることになるが、実際にGlazerもライセンス供与への見返りとして、自社の音楽配信サービスおよびRealPlayerのユーザーに対してiPodを推奨していくとの申し入れを行った、と同記事は指摘している。
さらに、The New York Times紙の記事によれば、もしAppleがRealの提案を受け入れなかった場合、RealはMicrosoftとの間で何らか提携関係を結ばざるを得なくなるかもしれないと示唆しているという。仮にそうした関係が成立すれば、RealはAppleのAACの代わりに、MicrosoftのWMAフォーマットをサポートすることも考えられ、Microsoftを天敵としてきたRealにしてみれば、これは全く予想外のシナリオといえるが、しかしGlazerは電子メールのなかで、くみする陣営を変える前に、Jobsと話をしておきたかったと記しており、そうした方向転換がまったくあり得ないことではないと匂わせている、と同記事には記されている。
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