ニューヨーク発--国際連合によるインターネット運営への関わりを増大させる目的で結成されたタスクフォースは米国時間25日、国連本部のあるニューヨークで会議を開催している。これは、現在ドメイン名とアドレスを管轄する団体に対して、VeriSignが提訴して以降、初めての集まりとなる。
国連はICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)の役割の一部を引き継ぐことに関して、ますます大きな興味を示しつつあるが、この会議はそうしたなかで開かれた。国連事務局長のKofi AnnanとICANN会長のVint Cerfが、冒頭の挨拶を行う予定になっている。
国連の掲げるこの目標は、米国産業界からの反対にあっている。
「国連は非常に動きの遅い乗り物のような存在だ」とRegister.comのポリシーディレクターであるElana Broitmanは、最近のインタビューの中で語っている。「非常に官僚的だ。率直に言って、民間部門の代表者に意見を求めることなど滅多にない。そのため、我々がICANNのなかに見いだしているような類の技術革新や効率性は、国連ではほとんど実現できないだろう」(Broitman)
この日の国連会議のなかでは、「Accumulated Concerns, Perspectives, and Exploring How We Can Cooperate(さまざまな懸念や見通し、そして強調していくための方法を探る)」と題したディスカッションが行われる予定だ。ドメイン名、技術標準、ネットワークセキュリティ、知的財産、プライバシー、電子商取引、言論の自由、課税、そして「文化と言語の多様性」なども、このディスカッションのトピックとして挙げられている。
先月VeriSignが起こした訴訟では、同社が「.com」や「.net」のマスターデータベースから利益を得ようとするのを、ICANNが繰り返し妨害したとして、これに関する不満が43ページにわたって書き連ねられている。VeriSignはまたICANNを独禁法違反で告訴しているが、これによりICANNは現在の形で運営を続けられなくなる可能性がある。
国連はすでに、関係機関の1つである国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union)を、ICANNの後継候補の1つとする動きに出ている。ITUの戦略およびポリシー部門の責任者であるTim Kekllyは、最近スイスのジュネーブで行った発表で、ITUにはICANNの機能の少なくとも一部を取って代われるだけの能力があると売り込んでいた。同氏は、ITUが持つ具体的な強みとしては、中立性、「国際社会における正当性、信頼性、責任」、さらに「正当な手続きの遵守」を挙げていた。
一方、ICANNのCerfは、最近行われたインタビューのなかで、「我々の責任の範囲内でうまくやっている限り、国連が介入するべきいかなる理由も存在しない」と語っている。
「もしVeriSignが望むものを手に入れてしまうと、ICANNには存在価値がなくなり、ドメイン名の登録業者を監督する者がいなくなる」と、Go Daddyというドメイン名登録業者の法務担当者、Christine Jonesは先頃そう述べている。「(VeriSignよりも)もっと重要な存在は国連とITUで、両者は支配権を手に入れようとしている」(Jones)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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