IPアドレスの管理を行う日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は、IPアドレスの割り振り等に関する料金体系を変更する見通しだ。IPアドレスの割り当て業務を行うIPアドレス管理指定事業者(IP指定事業者)のうち、JPNIC正会員でない事業者の料金を高くする。新体系は早ければ今年8月から適用される。これは2月13日に行われたJPNICの総会で明らかにされたもの。
JPNICはIPレジストリ業務の運営費を、IP指定事業者から受け取るIPアドレスの維持料と割当手数料で賄っている。当初の想定では、収入のうち維持料が7割、割当手数料が3割としていた。しかし2003年度の収入のうち維持料はわずか3分の1にとどまっており、実際は割当手数料に大きく依存している。JPNICでは、継続的に収入が得られる維持料の割合を増やすため、料金体系を見直す方針を掲げた。
新体系ではまず、維持料を海外と同水準に変更する。割り振りIPアドレス総量が少ない事業者は負担が増えるが、逆に多い事業者の負担は軽くなる。例えば/20以下の事業者が支払う料金は現行の10万円から20万円へと倍増するが、/11以下の事業者は360万円から260万円に減ることになる。
また、現在収入の大部分を占める割当手数料は撤廃する。これは新たに導入されるIPレジストリシステムにより割当業務が自動化され、必要となる費用が割当件数に比例しなくなるため。その代わり、新たにアドレス数に応じた割振手数料を導入する。これはJPNICからAPNIC(Asia Pacific Network Information Centre:アジアパシフィック全体のIPアドレス管理を行う団体)に支払う仕入支出をIP指定事業者が負担する仕組み。割振手数料は1アドレスにつき4円となる。
正会員でないIP指定事業者に対してはさらなる負担を求める方針。これは、現在の収入だけではレジストリ業務の支出を賄いきれないため。新たに導入が予定される「特別維持料」と呼ぶ負担は割当IPアドレス総量によって異なるが、20万円から250万円となる見込み。この特別維持料でも賄いきれない支出については、JPNIC正会員の会費で充当するという。
今後、JPNICでは2月から3月の間にJPNIC会員およびIP指定事業者からの意見を募集する。6月に総会で審議を行ったあと、8月1日から新体系を適用したい考え。ただし新体系による維持料請求を実施するのは2005年6月になる。その後、2007年度中には特別維持料制度の改廃について検討したいとしている。
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