今年のスーパーボウルで、ファンは、ちょうど選手が相手のフェイスマスクをつかむと反則を取られるように、デジタル音楽ファイルの交換も大きなペナルティにつながることを思い出させられることになりそうだ。
RIAA(全米レコード協会)から違法なファイル交換の容疑で訴えられた6人のティーンネージャーが、2月1日(米国時間)の第38回スーパーボウルの合間に放映される30秒コマーシャルに出演する。「I Fought the Law(法と戦った)」というタイトルのこの広告は、Apple ComputerとPepsiが共同で行うキャンペーンの口火を切るもので、両社はAppleの合法デジタル音楽サービス、iTunes Music Storeを使って、合わせて1億曲を無償提供する。Pepsiの商品を買って当たりが出れば、音楽を無償ダウンロードできるコード番号が手に入る、という仕組みだ。
「私たちは、これからもインターネットからタダで音楽をダウンロードするだろう。しかも、今度は誰にも手出しできない」と、このコマーシャルに登場する10代の少女は、同キャンペーンを指して、そんなセリフを口にする。
このコマーシャルは、テレビ業界の1年で最も大きなイベントで、インターネットを取りあげる大手ブランドの広告の一例にすぎない。今年のスーパーボウルのCM料金は、30秒の広告枠で過去最高の230万ドルをつけているが、インターネット全盛期--いまとなっては存在しない数多くのウェブ企業が広告を出していたことから、「ドットコムボール」といわれた頃とは対象的に、今年の広告主はウェブの持つ大衆への訴求力を利用しようとしている大手企業だ。
「今年の大きな違いは、オフラインとオンラインの統合が進んでいることだ」とForrester Researchの主任アナリスト、Charlene Liは言う。「インターネットを使えば、企業はスーパーボウルへの投資から、何倍もの効果を得られるとの認識がある」。
スーパーボウルは広告主にとって、1億3500万人の視聴者の前で、30秒間売り込めるチャンスだ。こうした機会は市場の細分化がすすむ現在、ますます貴重なものとなっている。さらに、スーパーボウルの広告は記憶に残る可能性が高く、他のメディアより5、6倍の注意を集められるといわれている。大手企業のコマーシャルを見るために、中継にチャンネルを合わせるという人間が多くいるからだ。
この理由から、America Online(AOL)は今年初めてスーパーボウルに多大な投資を行った。同社関係者によると、AOLはハーフタイムショウのスポンサーとなり、また30秒コマーシャルを3枠購入するなど、推定で1000万ドルを注ぎ込むという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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