ドメイン名登録業者Network Solutionsには、Googleに対して一言いいたいことがある。それは「我々のWhoisに手を出すな」ということだ。
この問題は、今からおよそ2週間前、検索大手のGoogleが、Whoisと総称される、世界中のドメイン名登録業者が運営する公共のデータベースから、ドメイン名所有者に関するデータを検索できる新サービスを密かに立ち上げたことにより、突如浮上した。ほとんど宣伝活動を行わなかったにも関わらず、同サービスには利用者のアクセスが殺到し、Network Solutionsがスパマーなど、好ましくないユーザーが同社の顧客情報を入手するのを防ぐ目的で設けた、Whoisデータベースの1日当たりの利用限度を越えてしまった。
Network Solutionsが大半のWhoisクエリを遮断したため、Googleは数日後にFAQからWhois検索の機能や、同データベースについての情報を削除し、WhoisクエリをNetwork Solutionsなどの登録業者の広告に置き換えた。
Network Solutionsは、末尾に.comや.netが付くドメイン名の最大手登録業者。同社のCEO、Champion Mitchellは「(Whoisは)我々に義務付けられた公共サービスだが、これまで(スパマーによる)濫用が極めて多かった」と述べ、さらに「我々は顧客のプライバシーを容易に侵害させるつもりはない」と語った。
今回のNetwork Solutionsとの争いは、全てのサービスを全ての人々に提供することを目指しているGoogleにとって、問題が深刻化しつつあることを浮き彫りにしている。同社の課題は、広告主であるインターネット事業者や別の優先課題を持つ提携業者から嫌がられずに、利用者に役立つ新しい検索サービスを提供することにある。
現在GoogleはWhois機能を停止しているが、同社はCNET News.comのインタビューに対し、今後もWhois検索機能へのショートカットを提供する方法を模索し続けると語った。
Network SolutionsのMitchellによると、Whois検索は、同データベースに登録されている電子メールアドレスや電話番号が容易に悪人の手に渡る可能性があるため、同社の顧客にとってはかなりの脅威だという。濫用を防止するため、同社はかなり以前から第三者ウェブサイトから同データベースで検索できる回数に1日あたりの上限を設けてきた。同社は具体的な回数は明らかにしなかったが、Mitchellは同社が上限を設けた目的はあくまでスパマーの利用阻止にあると語った。
Network Solutionsは昨年5月、もう1つ別の厳格なスパム対策に乗り出した。この対策は、ユーザーがドメイン登録データにアクセスする際に5つか6つの文字と数字で構成されるコードの入力を義務付けるもの。これにより、スパマーが自動化されたロボットを使って、同データベースで繰り返しメールアドレスを検索するのを防ぐことができる。またMitchellによると、Network Solutionsは最近、プライバシー保護サービスの提供を開始したという。このサービスはおよそ5ドルでドメイン名所有者のメールアドレスを非公開にできるというもの。
GoogleはWhoisへのショートカットを提供するにあたり、ソフトウェアエンジニアのGary Mooreが開発した全世界向けWhois検索サイトRatite.comが管理するデータベースを利用した。Mooreによると、Googleのサービス開始後1時間もしないうちに、Ratite.comはNetwork Solutionsが割り当てた1日当たりの検索件数を超過したという。同氏は、Network Solutionsが設定している、各サイトがWhoisデータベースで1日に実行可能なクエリー数を、およそ1000と推測している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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