Microsoft会長Bill Gatesへの名誉爵位授与の話に、英国のUnix User Group(UKUUG)が猛反対している。
Microsoftの創立者で、世界で最も裕福な人物でもあるGatesが、「グローバルな企業社会に貢献」したとして、名誉爵位を授与されるという報道を受け、同グループは「そのような爵位の授与には、大きな疑問を感じる」と語った。
「Microsoftは、公平とはいえないビジネスのやり方で、競合他社にダメージを与え、デスクトップ市場や消費者向けコンピュータ市場を事実上独占しており、そのために何度も法廷に立たされてきた」と同グループは述べている。「また、Microsoftのソフトウェアは、セキュリティに対する考慮がほとんどないまま書かれたもので、その結果生じたウイルスやスパムへの対策、またその被害修復にかかる膨大なコストを、同社は顧客に押し付けている」。UKUUG会長のCharles Curranは、ほかのOSではこのような問題に見舞われることは稀だと述べ、さらに「(他のOSでは)セキュリティや堅牢性は、最初から実現すべき目標として設計されており、後付けで考えられたものはない」と付け加えた。
UKUUGは、NPO(非営利組織)で、Unixやそれに類するOSを支持し、オープンソースソフトウェアを普及させ、オープンなプログラム標準やネットワーキングプロトコルを推進するためのテクニカルフォーラムと名乗る団体。
Curranは特に、今回の叙勲に関する外務省の説明に対して、反論を展開した。外務省は、英国内の企業活動・雇用・教育・ボランティアなどの各分野における、Gatesの傑出した貢献への評価を、爵位授与の理由に挙げている。
「英国の国民や企業がMicrosoftに毎年支払っている巨額のライセンス料を差し引いて考えれば、Gatesが実質的な貢献をしたかどうかさえ疑問だ。ましてや、"傑出した"貢献はどうかと思う」(Curran)
「特に残念なのは、この名誉が授与されようとしているタイミングだ。政府や民間企業は、Microsoft製品に代わる本物の選択肢をやっと手にいれたばかりだ」とCurranは付け加えた。「政府は、Linuxなどの選択肢を利用して、英国の企業活動・雇用・教育・ボランティア活動の分野でコスト削減を進めることを、緊急を要する課題として真剣に検討すべきだと、UKUUGでは考えている」(Curran)
Microsoftは、UKUUGの挑戦にすぐに応じることはできなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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