Microsoftは、MSNツールバーのベータ版を発表したが、これはウェブベースの電子メールや検索サービスのような、同社のさまざまなインターネットポータルサービスへのアクセスの簡略化を狙ったものだ。
ユーザーはMSNツールバーを無料でダウンロードでき、自分のブラウザソフトで表示されるように設定できる。これにより、HotmailやMSN Messenger、検索エンジンを含むMicrosoftの一連のサイトやアプリケーションに、ツールバーからシングルクリックでアクセスできるようになる。また、同ツールバーは、MSNBC.comのような同社の一連のコンテンツサイトへのアクセスや、ポップアップ広告ブロック機能、お気に入りのウェブコンテンツを要約して表示するための新しいツールも提供する。
MSNツールバーのドロップダウンメニューを使えば、同社のウェブベースの職業別・個人別電話帳に加え、エンターテインメント、金融、ショッピング、百科事典サイトへもアクセスできる。Microsoftは、新バージョンが出るたびにこのツールバーの機能が自動的にアップデートされると付け加えた。
Microsoftは、Yahoo!やAmerica Online(AOL)のような競合するポータルサイトからの厳しい競争に直面している。同社は、先頃eBayと契約を結び、ユーザーがパーソナライズしたMy MSNウェブページからeBayのアカウントに直接アクセスできるようになると発表した。eBayがウェブポータルサイトとこのような形で契約を結んだのは、今回が初めてとなる。
Microsoftは、Googleのようなサーチエンジンプロバイダに対しても、立場を強化しようとしている。同社は、5億ドルを投資して、ユーザーがウェブや電子メール、Microsoft Wordのようなデスクトップアプリケーションを検索できるシステムを開発すると発表した。この検索システムは、Microsoftの次世代OS「Longhorn」でデビューすることになっている。
今月はじめ、Microsoft会長のBill Gatesは、MSNのルック&フィールを刷新し、Hotmailを含む大部分のサービスのバージョンをアップグレードして、同サービスを新たにスタートさせた。MSNの大幅な手直しや今回のツールバーの発表は、同社が苦戦しているダイヤルアップインターネットアクセス事業の立て直しを狙った取り組みの一環でもある。同事業は、ケーブル会社や電話会社が提供する高速ブロードバンドサービスに押され、加入者数が減少している。MicrosoftのISP利用者にとって、MSNはウェブへのポータルとなっている。
Yahoo!やEarthLinkでも、自社の検索ビジネスの拡大を検討中で、PCの画面上に配置されたタスクバーからオンラインでの検索ができるようにする考えだ。タスクバーを使った検索ツールは、ツールバーアプリケーションと似ているが、ただしこの2つには重要な違いがある。タスクバーのほうは、Microsoft Windowsのシステムトレイのなかに格納されており、ブラウザやその他のアプリケーションをデスクトップ上で開かなくても検索が可能になる。
インターネットポータル市場でさらに大きなシェア獲得を狙うMicrosoftは、オンラインの音楽配信サービスを立ち上げることも計画中だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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