システムインテグレータのMVPは、遠隔地のパソコン同士をPtoP接続し、双方のブラウザで同一操作が可能なシンクロブラウザ(SBR)システムを本格的に販売開始する。SBRは、インターネット上におけるメールとウェブコンテンツの融合が可能で、ユーザー同士がブラウザを電話のように接続してコミュニケーションできるのが特徴。
MVP代表取締役社長の川北潤氏 | |
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MVP代表取締役社長の川北潤氏は、「これまでのインターネットでは、メールとウェブコンテンツの閲覧が統合されていなかった。例えばメールで待ち合わせ場所を知らせる場合、メールにURLを記入し、受信者はそのURLをクリックしてブラウザから場所情報を得る、といった具合だ。SBRを利用すれば、ユーザーはウェブ上でシンクロ会話を行いたい相手に呼びかけ、相手が応答すればブラウザの特定ページを直接遠隔地にいる別ユーザーに見せることが可能となる」と、利用方法を説明する。
SBRの機能は、ブラウザのページやウィンドウサイズ、スクロールを同期させることはもちろん、ブラウザ画面上での描画や文字入力の同期、サーバレスでのテキストチャット、相手のマウスの動きのトラッキング、ウェブフォームの代行入力などである。個人同士の利用のみならず、企業での利用法として、ネットショッピングでコールセンターに電話がかかってきた場合、お勧め商品を直接顧客に見せたり、購入方法がわからない顧客に直接ブラウザ上で入力を誘導するといった利用方法も可能だという。
SBRはすでに昨年発表されていたが、今回MVPではSBR.ne.jpというサイト上でこのサービスを数日中に開始するとしており、これを機に同製品を本格的に販売するとしている。今後同社では企業やISPに向けて専用ルータを販売するが、現段階では企業やISPでの採用は決まっておらず、発表会に同席したNTTコミュニケーションズIPインテグレーション事業部部長の武藤弘和氏も「(採用するかどうかは)現在検討中」としている。ISPがエンドユーザーに向けてサービスを提供する場合は、月額数百円のサービスになるとのことだ。
川北氏は、今後2年でISPとの契約者数を約100万IDと見込んでおり、企業やコールセンターに向けてSBRルータを年間100セット販売したいとしている。
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