ウイルス対策ソフトMcAfeeの開発メーカーとして知られるNetwork Associatesが、スパイウェアの撲滅に乗り出す。スパイウェアとは、インターネット上でのユーザーの行動を追跡したり、個人情報を収集し、それらの情報を広告主に提供するためのプログラムだ。
Network Associatesは22日(米国時間)、新製品McAfee AntiSpywareを発売した。この製品は、スパイウェアに加え、アドウェアと呼ばれる、コンピュータの画面上に広告を自動的にポップアップさせるためのプログラムから、ユーザーを自動的かつ能動的に防御するよう設計されている。
スパイウェアという言葉は幅広い意味に用いられているが、主には勝手にコンピュータ内に入り込み、ハードドライブ内に常駐する厄介なプログラムを表す際に使用される。スパイウェアは一般に、インターネット上でフリーウェアやシェアウェアをダウンロードする際に、いっしょにパソコン内に取りこまれる。また電子メールや、インスタントメッセージ(IM)ソフト、音楽ファイル共有ソフトなどのピア・ツー・ピア(PtoP)アプリケーションを通じて広まる可能性がある。
スパイウェアはユーザーのインターネット上での行動を追跡し、その結果をウェブ広告主に報告する。広告主はスパイウェアを通じて集めた情報を使って、ポップアップ広告のターゲットの絞り込みを行う。また、ID窃盗犯がこの技術を使って個人情報を盗み出すことも可能だ。
スパイウェアは発見や除去が困難で、多くのユーザーはスパイウェアをダウンロードしたことに気付いてすらいない。National Cyber Security Allianceが2003年5月に発表したレポートによると、調査に参加した120名のパソコンのうち、91%にスパイウェアがロードされていた。また参加者のなかで、スパイウェアが各種の音楽およびファイル共有プログラムを通じてインストールされる可能性があることを理解していた人は、皆無に等しかった。
セキュリティ対策企業は、すでにこの問題への対応を開始している。人気のハードディスククリーナーとしては、Pest Patrol、Spybot-Search & Destroy、LavasoftのAd-awareなどが挙げられ、これらのソフトは、ウェブ上でダウンロードが可能だ。またZoneLabのZoneAlarmといったパーソナルファイアウォールは、不正なプログラムがネットワーク接続を使って許可なく外部と連絡を取るのを防止する一助となる。
またインターネットサービスプロバイダ(ISP)もソリューションの提供に乗り出している。Time WarnerのAmerica Online部門とEarthLinkは今月はじめ、加入者保護を公約した。
その他の大手セキュリティ企業もスパイウェア問題に対応するための製品を導入している。Network AssociatesのライバルであるSymantecは昨年9月、同社のウイルス対策ソフトNortonの新版にスパイウェア対策機能を追加した。
Network Associates以外の企業はスパイウェア対策の技術を無償で提供しているが、Network AssociatesはMcAfee AntiSpywareのライセンス料を39ドル95セントで販売する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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