米国のドメイン名登録会社、Network SolutionsとRegister.comの2社が、電子メールとドメイン名のネーミング方法に関する特許を侵害したとして、2人のインターネット起業家から告訴された。
新興会社Nizza Groupを運営しているTroy K. JavaherとFrank M. Weyerは12日(米国時間)、Network SolutionsとRegister.comの両社を特許侵害で訴える訴訟をカリフォルニア州の連邦地裁に起こした。
この訴訟は、Network SolutionsとRegister.comが保有する、ウェブのURLや電子メールアドレス販売権が、2003年12月20日にJavaherとWeyerが取得した特許を侵害していると訴えている。Javaherらの特許は、あるグループのメンバーに、「@」マークがURL内のドットに対応するようURLや電子メールアドレスを割り当てる方法に関するもの。たとえば、いわゆるサードレベルドメインのURL、「www.john.smith.com」を使用するグループでは、電子メールアドレスが「john@smith.com」となる。
Nizza Groupは訴状のなかで、Network SolutionsとRegister.comが.nameドメイン下のURLや電子メールアドレスの権利を販売し、特許を侵害していることを具体的に指摘している。.nameドメインは、「john.smith.name」のようにドットが1つ増えるのでサードレベルドメインと呼ばれる。.nameドメインのデータベースを所有・管理しているのはGlobal Name Registry(GNR)だが、同社は被告に挙げられていない。
「Network SolutionsとRegister.comはドメイン名を販売する小売会社だ。GNRはレジストリの管理会社で、同社も特許を侵害している可能性がある。我々はまず最初にNetwork SolutionsとRegister.comに対して訴訟を進めるのが、最も簡単だと判断した」とWeyerは述べている。
GNRは14日に、「johnsmith.name」のようにドットを1つしか使用しないセカンドレベルドメイン名の提供を開始した。こうした新ドメインを利用する電子メールやウェブアドレスは、特許を侵害しないとJavaherは言う。
この訴状では、金銭による損害賠償(金額は非公開)と、Network SolutionsとRegister.comが今後特許を侵害しないことを命じる裁判所の差し止め命令を要求しているが、Weyerは両社と協力的に話を進めていきたいとしている。Weyerは以前にも、自らが取得した特許に関して、別の2つの企業を特許侵害で訴えたことがある。
「我々は、Network SolutionsやRegister.comにURLや電子メールアドレスの販売を止めさせようとしているわけではない。彼らに関心があれば、我々はネーミング方法をライセンスしたいと考えている。もし彼らに関心がないようならば、特許によって裁判所から差し止め命令が下されることになる」(Weyer)
なお、特許弁護士であるWeyerは、今回の訴訟を自ら手がけている。同氏の話では、Network Solutions、Register.comのそれぞれに、すでにこの件について告知済みとのことだったが、両社ともCNET News.comからの電話での問い合わせには回答してきていない。
JavaherとWeyerのふたりは、もともと1998年に米国で.mdドメインの提供サービスを開始したグループのメンバー。.mdドメインは医者向けのもので、たとえばwww.janesmith.md というように、.mdで終わるドメイン名を販売していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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