ヤフーvsグーグル--検索エンジンの覇権争いは新局面へ

Evan Hansen, Jim Hu(CNET News.com)2004年01月15日 18時54分

 Yahooは14日(米国時間)、2004年第1四半期中に、自社技術を優先させるためにGoogleとの検索エンジンに関する提携を解消する予定であることを明らかにした。Yahooのこの動きは、検索エンジンの覇権をめぐる戦いが新たな局面に突入したことを示すものだ。

 Yahoo最高経営責任者(CEO)のTerry Semelが発表したこの動きは、同社が2002年12月にInktomiを2億3500万ドルで買収する計画を発表して以来、ずっと予想されてきたもので、1年以上も推測が飛び交った後に、やっと実現することになる。Inktomiは、いわゆる「アルゴリズム検索」技術を開発しており、これはウェブページをインデックス化し、検索用語に基づいてランク付けするGoogleの技術と似たものだ。

 予期された動きではあったが、Yahooのこの発表はウェブベースの検索市場が変革期に入ったことを裏付けるものとなった。この市場は、急成長をとげている利益率の高い広告プログラムのおかげで、過去2年間で大きく変化してきている。

 調査会社のComscore Media Metrixが発表した市場シェアデータによると、Googleは現在Yahooのほか、Time WarnerのAmerica Online(AOL)、Ask Jeevesなどへの配信契約も含めると、ウェブ上で発生する全検索リクエストの約80%を処理していることになる。ところが、Yahooとの契約が終了すると、この数字は54%に下がると予想されている。一方のYahooは、独自の検索トラフィックに加え、MicrosoftのMSNウェブポータルに検索結果を提供しているInktomiの数値をベースとすると、42%にまでシェアを伸ばす可能性がある。

 アナリストらは、Yahooの検索エンジン切り替えで、Googleの独占状態に近かった検索市場が、一夜にして2社による一騎打ちに変わることになると予想している。

 だが、検索市場の変化がGoogleとYahooの事業に与えるインパクトは、少なくとも短期的には小さいようだ。あるアナリストは、2001年にGoogleがYahooにアルゴリズム検索結果を提供することで得た金額は、710万ドルに過ぎなかったという。

 検索事業において大きな利益をもたらすのは、広告からの収入だ。業界団体のIAB(Interactive Advertising Bureau)によると、2003年第2四半期、全体で16億6000万ドル規模だった米国オンライン広告市場のなかで、キーワード検索の売上はその31%を占めているという。

 2001年11月以来、Yahooは、Overture Servicesの広告リンク付き検索結果サービスを提供しており、2003年にはOvertureを16億ドルで買収している。つまり、GoogleはYahooとの契約が解消されても、広告検索事業では損失はないということになる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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