長くて、分断されやすいウェブアドレスの簡略化サービスを提供するウェブサイトが複数誕生しており、少なくともそのうちの1つは、このサービスでの利益獲得を目指している。
TinyURL.com、Shorlify、Make A Shorter Linkといったサイトは、ウェブの誕生以来の懸案の解決に取り組んでいる。その懸案とは、データベースが生成したウェブアドレスは、一定の長さを超えると、人間が記憶するのが不可能となるばかりか、自動的に改行を行うメーラー間でURLをやりとりするのが困難になるという問題だ。
メーラーによっては、URLを書き込んでも改行によってハイパーリンクが設定されず、またメールの受信者が改行によって分断されたURLをブラウザのアドレスバーにコピー・アンド・ペーストすることすらできない場合もある。
このURL短縮サービスでは、短い代用のURLを提供し、そのURLにアクセスすると長くて扱いにくい元のURLにリダイレクトされる仕組み。
コンピュータセキュリティのコンサルタントで、セキュリティに関するメーリングリストBugtraqなど、複数のメーリングリストに頻繁に投稿しているRichard Smithは、「TinyURLについては、メーリングリストで同社のサービスを利用している仲間から聞いた」と述べ、さらに「私が(リストに)書き込んだURLにアクセスできないとの苦情が何度も寄せられ嫌気が差していたので、私も時々利用するようになった」と語った。
ウェブアドレスの簡略化は決して新しい発想ではない。以前RealNamesという企業が米Network Solutionsと米Microsoftから出資を募り、簡略化した代替用のウェブアドレスのデータベースを作成した。しかし同社の有料システムは世間に受け入れられず、企業の関心も薄れ、昨年ついに閉鎖に追い込まれた。
現在では、無料のアドレス代替サービスサイトが複数運営されており、そうしたサイトは副業で利益を上げたいと考えている。
TinyURLは、米国ミネソタ州ブレイン在住の24歳のウェブ開発者、Kevin "Gilby" Gilbertsonが運営している。熱心な一輪車乗りのGilbertsonは、ウェブ上のフォーラム、unicyclist.comか、同サイトに対応しているニュースグループ、rec.sport.unicyclingのどちらかに書き込まれたメッセージが、もう一方に複写されるアプリケーションを開発し、その後2002年の1月に、TinyURLサイトを立ち上げた。
Gilbertsonによると、サイト開設後およそ2年が経過した今、 TinyURLのサービスを利用して簡略化されたURLの数は170万以上に上り、また同サイトは過去1カ月間だけで2100万件以上のアクセスを記録したという。
同サービスは現在無料で提供されており、今後も有料化はしないが、広告収入と寄付で利益を上げていく、とGilbertsonは語る。またGilbertsonは、2004年初頭にプレミアムサービスや企業向けサービスを導入したいと考えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」