米CNET Networksは26日(米国時間)、インディーズのミュージシャンの作品を配信する、独自の無料サービスを開始すると発表した。CNETは先週、米MP3.comを買収し、同社の保有する膨大な音楽アーカイブの閉鎖を発表したばかりだった。
MP3.comのデータベースには、現在100万曲以上の楽曲が保存されているが、その殆どが大手レーベルとの契約を結んでいないインディーズのミュージシャンの作品だ。CNETは先に、このデータを12月2日付けで閉鎖すると述べていた。しかし、同社は今回、この(旧)MP3.comに似た新しいサービスを来年はじめに立ち上げ、アーティスト向けに無料のストレージスペースを提供すると発表した。この新しいサービスは、フリーウェアやデモのソフトウェアを集めたDownload.comの一部として運営される。
CNETが米国時間25日の遅くに、MP3.comに作品を置いているアーティストに向けて送付した書面のなかには、「MP3.comでは、Download.comがソフトウェア開発者向けに行っているのと同様のサービスを、インディーズのミュージシャンに提供する予定である。すなわち、アーティストに対して、自分の作品のマーケットをつくるための手頃な手段を与えるのだ」と記されている。
MP3.comにはもはや昔日の勢いはないが、それでも今月CNETがMP3.comドメインの買収を発表すると、インディーズ・ミュージシャンのコミュニティからは不満の声があがった。
MP3.comの創設者であるMichael Robertsonは、「デジタルミュージアムの終わり("Digital Museum Burns to the Ground")」という見出しをつけたメッセージを、彼の現在の会社、米Lindows.comからユーザーに向けて送信。そのメッセージの中で、同氏は、MP3.comを所有していた仏Vivendi Universalに対し、同サイトに置かれているコンテンツを保存するよう求めていた。
CNETは26日の発表の中で、旧MP3.comの中核を形成しているバックエンドのデータベースシステムやそのコンテンツは買収しておらず、そのため保存された音楽やウェブページを新しいサービスに移行することはできないと説明。同社はアーティストに対して、Download.comが運営予定の新しい音楽サイトに後でポストできるよう、MP3.comに上げた楽曲を全て保存しておくようにアドバイスしている。
CNETはまた、MP3.comドメインを利用して、デジタル音楽に焦点をあてた情報サービスを開始する計画であると述べた。業界関係者の話では、オリジナルのMP3.comにある音楽アーカイブを閉鎖してしまうと、新しいサイトの潜在ユーザーの大半が離れていってしまうリスクがあるという。新たにインディーズの音楽アーカイブを立ち上げることで、CNETはこうしたユーザーの不満を鎮めることを狙っているのかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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