ポップアップ広告は、これまでいくつもの撲滅を目指す取り組みがあったにもかかわらず、何年も前から繁栄を続けている。だが今度は、最大の嫌われ者であるこの広告フォーマットに最大のライバルが現れるのではないかと、オンラインマーケティング担当者が真剣に考え始めている。そのライバルとは、米Microsoftだ。
同社は先頃、来年に予定しているWindows XPのアップデートの一環として、Internet Explorer(IE)へのポップアップ広告防止機能の搭載を示唆した。他社も同様のツールを提供してきたが、ブラウザ市場はIEが完全に独占しているため、広告代理店の経営陣やインターネット観測筋は、この変更によってポップアップ広告のバブルもついに崩壊するのではと考えている。
有名なセキュリティ/プライバシー専門家のRichard Smithは、「Microsoftが適切な処置を施せば、ポップアップの利用は激減すると思う」と語った。
最も効果的な広告ツールを失う可能性を危惧するサイトや広告主のなかには、ポップアップの防止機能を回避して、自分たちの広告を表示させる手法の開発を進めているところもある。だが、ポップアップ広告に依存するようになった多くの広告主は、最も効果的なマーケティング手法の断念を迫るこの大きな変化に直面して、それに対抗するのではなく、むしろこれを受け入れようとしている。
ポップアップ広告は、ネットバブルの崩壊とともに流行し始めたが、これはネットパブリッシャーがオンライン広告で利益を得られなくなったためで、各サイトは少しでも広告収入を得ようと、ページ本体のスペースをとらないポップアップウインドウをできるだけ多く開くようにした。また、広告に対してウェブユーザーが反応する回数、つまり「顧客転換率」に応じてマーケティング担当者が広告料を支払うようになったために、そこには広告を多数掲載しようとする経済的誘因もあった。
その結果、マーケティング担当者は経済的かつ効果的なポップアップを利用するようになっていった。ポップアップほどウェブユーザーの注意を惹きつけるオンライン広告はほかにはない。今年初めに公表された米Advertising.comの調査によると、ポップアップはページを横切って表示されるバナー広告の13倍も効果的だという。
そして、この効果の高さがポップアップ広告の売上を押し上げた。米Nielsen/NetRatingsによると、今年8月から10月の間に、ウェブサイトがユーザーに向けて表示した合計2664億件のオンライン広告のうち、196億件がポップアップ/ポップアンダー広告だったという。
だが、この形式の広告が人気を集めると共に、ユーザー側からの非難の声も高まった。ある調査結果によると、インターネットユーザーの大多数が、ポップアップ広告は邪魔だと考えているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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