「指一本でいける」:音楽CDのコピーガード機能解除方法、米で発表

 プリンストン大学のある学生が、米BMG社が音楽CDでテスト中の新しいコピー防止機能を無効にする方法を発表したが、実はコンピュータのShiftキーを押したままにするという至って簡単なものだ。

 プリンストン大学で博士号取得を目指しているJohn Haldermanは今週、自らのウェブサイトに発表した論文のなかで、新しい種類のコピー防止技術を無効にする方法について説明した。この新技術は、BGMのソウルシンガー、Anthony Hamiltonの新作アルバムで試験的に採用されているもの。

 通常の状態では、この音楽CDをコンピュータのCDドライブで再生するたびに、コピー防止ソフトウェアがWindowsマシンへ自動的にロードされ、従来の方法でのコピーや、MP3のリッピングが不可能になる。しかし、Haldermanによれば、CDをドライブに入れるときに、単にShiftキーを押したままにするだけで、WindowsのAutoRun機能がコピー防止ソフトウェアをロードしなくなり、自由に音楽をコピーできるようになるという。

 こうした解除方法が存在することを、BMG、ならびにコピー防止技術を提供する米SunnComm Technologiesの双方が認めた。両社とも、CDをリリースする前から、これについては知っていたが、それでも防止ソフトによってほとんどの平均的リスナーはコピーを思いとどまるだろうと考えた、と説明している。

  「これに関しては、我々も把握していた。コピー防止策は、自動車の減速を狙った路上の出っ張りと同じ役割を果たすもので、一般ユーザーが音楽ファイルを大量にCDに焼いたり、オンラインへアップロードするのを思いとどまらせるのが狙いだ。我々は、使い勝手と柔軟性を重視するという意識的な決断を下した」と、BMG広報担当者のNathaniel Brownは述べている。

 BMGとSunnCommの最新のコピー防止技術を、Haldermanや他の人間が簡単に破ったことは、レコード会社や技術開発会社がリスナーを敵に回さずに、コンテンツを保護することに慎重になっていることの現れである。

 SunnCommの技術は、まだ市場へ出ていないCDコピー防止技術のうちで最も柔軟なものである。CD自体に曲の「リッピング済み」バージョンが入っており、それをコンピュータに転送したり、回数は限られているがCDに焼き付けたり、さまざまなポータブルデバイスに転送できる。無制限のMP3ファイルとは、コピーできる回数や、再生できるデバイスの種類が限られている点で異なる。

 Anthony HamiltonのCDは、コンピュータでの使用を意図した「セカンドセッション」がプレインストールされている、新世代のコピー防止策を採用した初のCDである。SunnCommのライバルである米Macrovisionも、この戦略を追求している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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