ある研究報告によると、インターネットを使ったファイル交換ネットワークにはセキュリティ上の欠陥あり、罪の無いユーザーを有罪にしてしまう可能性があるという。
雑誌New Scientistの伝えたところによれば、この『PtoPネットワークユーザーを罪に陥れる罠』(原題 "Entrapment: Incriminating Peer to Peer Network Users")と題された報告書は、匿名の著者の手になるもので、何も知らないファイル交換利用者をだまして、著作権で保護されたファイルをダウンロードさせ、さらにそれを他のユーザー向けに公開させるための、いくつかの方法が詳細に書かれている。
Gnutellaネットワークの利用者ならわかるだろうが、ファイル交換ネットワークは通常、あるユーザーがほかのユーザーのコンピュータ内に保存されたデータへの要求を伝えるという行為に依存している。そのため、このネットワークのメッセージを改ざんすれば、罪の無いユーザーが著作権で保護されたファイルを交換してしまうだろうと、同報告書には書かれているという。
Gnutellaネットワークは、 MorpheusやBearshareといった人気の高いファイル交換用ソフトが多数利用している、バックボーンとなるネットワークだ。
英国在住のPtoPアプリケーション開発者、Adam Langleyは同報告書のなかで、Gnutellaに的を絞った攻撃は一見理に適っており、そうしたテクニックも意外なものではないと述べている。Gnutellaはそうした攻撃に耐えるよう設計されてはいないから、というのがその理由だ。
最近、全米レコード協会(RIAA)は、ファイル交換者に対する訴訟を一件を取り下げた。人違いの可能性が浮上したからだった。
RIAAは、大手の音楽会社を代表する組織で、PtoPネットワークを利用して違法なファイル交換を行ったとして、既に261人のファイル交換者を訴えている。この影響で、人気の高いPtoPネットワークの利用が減少したようだという調査結果を、米Nielsen NetRatingsが発表している。
音楽ファイル交換ネットワークで最も人気の高いKazaaのユーザー数は、過去3カ月で41%減少した。6月29日までの一週間には約650万人が利用していたが、これに対して9月21日までの一週間の利用者数は約390万に減少した。またMorpheusでも同様の傾向がみられ、利用者数は27万2000人から26万1000人へと急落したと、ロイター通信が伝えている。
アジア太平洋地域に住む人々も、レコード業界が米国内で展開しているファイル交換者狩りを、びくびくしながら見守っており、自分たちが次のターゲットになりはしないかどうかを気にかけている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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