大きな論争を巻き起こしているSiteFinderサービスをめぐり、米VeriSignを相手取った集団代表訴訟が新たに起こされた。問題のこのサービスは、存在しない.comドメインへのアクセスが、全てVeriSignが管理する検索ページに強制的にリダイレクトされるというもの。
先週、インターネットアドレスを入力ミスした場合に表示される見慣れたエラーメッセージに代わり、このサービスが出現し、世間を驚かせた。同サービスに対し、競合他社からは厳しい批判が噴出しており、また多くのインターネット技術者のグループが、このサービスの影響で他のネットアプリケーションに支障が出ていると訴えている。
Internet Society(ISOC)のLynn St.Amour会長は、26日にドメイン名ポリシーの策定を担当しているInternet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)宛てに送付した書簡の中で、「このサービスは、これまでのインターネットの驚異的な成長を大変見事にサポートしてきた、数多くのアーキテクチャの原則に反している」と述べ、さらに「これらの原則、あるいはインターネットの技術的な問題を扱う数多くの技術グループの助言に注意を払わない(VeriSignの)態度は無責任極まりなく、インターネットの安定性は大きな危険にさらされている」と語った。
長年インターネット関連の訴訟に携わってきたIra Rothken弁護士は、このほど電子メール・デバイス同期ソフトを販売するカリフォルニア州の某ソフトメーカーの代理人として、VeriSignに対する新たな集団訴訟を起こした。VeriSignはドメイン名システムについて同社が握っている権力を濫用しているというのが、同氏の訴えの理由だ。
Rothkenは、「.comと.netのドメイン名へのアクセスをリダイレクトするVeriSignのサービスは、同社の利益となっている、あるいはそれを意図しているだけでなく、インターネットの基本的インフラを破壊し、インターネットに関わる数多くの企業や団体に損害を与えている」と述べ、さらに「VeriSignの行為は公認された独占的地位の範囲をすでに逸脱しており、そして逸脱行為は現在も続いている。VeriSignのSiteFinderリダイレクトサービスは、明らかに関連している政府のプログラムに合致せず、また政府機関からの指示や同意も全く得ていない」と指摘した。
VeriSignに対するその他の訴訟は全て、民間企業や個人を代理して提起されたものだが、26日の訴訟では初めて集団代表訴訟という形式が取られた。
VeriSignの代表は、会社の方針として係争中の訴訟についての見解は述べないとし、コメントを控えた。先に同社は、SiteFinderリダイレクトサービスに対する技術的批判について検討すると発表したが、ただし批判があってもサービスの提供を今後も続ける計画であることを示唆していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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