全米レコード協会(RIAA)は19日(米国時間)、イスラエルのファイル交換サービス会社、iMeshを提訴したと発表した。iMeshはピア・ツー・ピア(PtoP)サービス企業の最古参の1つで、現在も営業を続けている。
RIAAは、iMeshが過去に存在した他のファイル交換サービス会社と同様に、インターネット上の大量の著作権侵害行為を助長したと主張している。RIAAは違法な音楽ファイル交換を行ったユーザー数百人を相手取り訴訟を起こしているが、今回の訴訟は、今後個人だけでなくソフトウェア企業も引き続き追求していくという、RIAAの明確な意志の現れといえる。
iMeshの広報担当は、「訴訟に関する知らせを受け取った。今後は適切に対応し、勝訴に向け全力を尽くす覚悟だ」と述べ、さらに「音楽業界はGrokster とStreamCastが今年起こした即決裁判で敗訴した。これらの裁判で、裁判所は両社が著作権法に違反していないと認定した」と語った。
iMeshは、いくつかの連続するファイル交換技術を使って4年近く事業を行ってきた。同社はイスラエルに拠点を置くが、ニューヨークにPRエージェントを所有しており、デラウェア州で法人登録されている。また同社の利用規約には、ソフトウェアに関する裁判はニューヨークの裁判所に提訴されるべき、と明確に記されている。
iMeshはユーザーの匿名性保護に役立つと主張されていることもあり、ここ数カ月間で人気を上げている。しかし、先週RIAAが提訴した個人ユーザーの中には、iMeshのユーザー数人も含まれている。
News.comを運営しているCNET Networksが運営するDownload.comによると、過去数年間にiMeshがダウンロードされた回数は5700万回以上に上り、先週だけでも53万3499回のダウンロードが行われた。
RIAAはあらかじめ準備した質疑応答の中で、なぜ今週までiMeshを提訴しなかったのかという疑問に対し、十分な説明を行わなかった。
RIAAは発表の中で、「違法な行為に対して我々のメンバーの権利を主張するのに、悪い時期などない」とし、さらに「iMeshの目的が違法行為の助長にあることは、同社の最近の行動や公式発表を見れば明らかだ。今回の訴訟は、ファイル交換サービス企業の著作権侵害行為に群がってくる者や、そこから利益を上げている者には、必ず大きな付けが回ってくることを明らかにするのが目的だ」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」