米大手書店チェーンのBordersや、破綻したオンライン食料品店Webvanを創設したLouis Bordersが、手つかずになっている雑誌アーカイブ(過去記事)の販売に乗り出した。
Bordersが手掛けるのは、米国時間7月28日に開設する雑誌の会員制ポータルサイトKeepMedia。会員料金は月額約5ドルで、140誌のアーカイブにアクセスできるのが特徴。またBusiness Week、Psychology Today、Forbes 、Esquireなど、どれか一誌を定期購読している読者なら、KeepMediaの契約誌全部について最新ニュースにアクセス可能となる。さらに会員はサイト上に記事を保存したり、それに自分でコメントを付したりもできる。
「フリーマーケットのようなウェブで、記事を検索する苦労から開放されるだろう」(Borders)
Bordersと最高経営責任者(CEO)のDoug HarringtonがKeepMediaを構想したのは2002年の1月。Bordersによると、法的な問題からデジタル音楽への参入を見送り、新しいビジネスを考案していたときだったという。Bordersが思いついたのは、一般消費者向けの市場としては手つかずの領域である雑誌のアーカイブを利用することだった。
こうしたアイディアは目新しいものではない。例えば、米Brill MediaはContentvilleというサイトを開設し、様々な出版物をデジタル・ニューススタンドとして提供しようと試みたが失敗に終わった。現在運営されているサイトにはNewsStand や Lexis Nexisなどあるが、KeepMediaとは趣きが異なる。Lexis Nexisの場合は、企業向けの情報やアーカイブに特化した莫大なデータベースで、利用料金は月額何千ドルに達する。一方、NewsStandは、The New York Timesなど約50の出版物を集めたサイトで、利用者は紙媒体のオリジナル記事をそっくりそのままデジタルで再現したものに有料でアクセスできる。しかし、NewsStandの最高責任者Kit Websterによると、開設から2年が経過したが、未だ利益は出ていないという。
KeepMediaでは、サービスの開始当初は広告なしで記事を公開する。メニューのなかにはHearst、Knight Ridder、 Primediaなどの大手出版グループから発行されている140誌の代表的な記事を提供する予定だ。ただし Conde Nastや、今年はじめに主だったオンライン出版物の有料化に踏み切ったAOL Time Warnerのものは含まれていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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