米RIAA、消滅したスペインの音楽配信サイトを訴える

 全米レコード協会(RIAA)は9日(米国時間)、低価格の音楽ダウンロードサービスを短期間提供していたスペインの音楽配信サイトPuretunesの親会社を提訴したと発表した。

 Puretunesのダウンロードサービスは、今年5月に立ち上げられた。当時同社は、スペインのいくつかのライセンス機関から、インターネット上で合法的にメジャーレーベルの音楽配信サービスを提供する権利を得たと主張。だが、これに対してレコード会社側は、同サイトはレコード会社、アーティスト、楽曲パブリッシャーの許可を得ておらず、サービス提供は違法と反論していた。

 しかし、同サービスは先月インターネット上から姿を消した。これに怒ったPuretunes の顧客は、RIAAが同社を提訴する数週間前から、同社に対する苦情を申し立てていた。

 RIAAの代表は声明の中で、「実際は、Puretunesがウェブサイトや報道で発表していた内容とは全く逆で、同社は販売していた音楽のライセンスを全く取得しておらず、また取得しようともしていなかった」と述べ、さらに「音楽を違法に販売していただけでも十分悪質といえるが、合法的なビジネスと主張して人々を騙そうとした行為は、さらに悪質だ」と語った。

 一方、Puretunesの代表からは9日時点のコメントは得られなかった。

 Puretunesはスペインの先行企業、Weblisten.comの手法を踏襲した。Weblisten.comは、一定期間内に何度でも音楽をダウンロードできるサービスを提供していたが、Puretunesと同様にレコード会社から直接権利を確保していなかったため、過去に何度も訴えられていた。

 Puretunesは、1晩、週末、1週間といった一定期間内に、巨大な音楽ライブラリへアクセスし放題というサービスを提供する予定だった。同社のサイトでは、Pressplay、Listen.comのRhapsody、Apple Computer'のiTunesといった合法的なサービスでは入手困難な、MadonnaやMetallicaといったアーティストの楽曲を入手できる点を売りにしていた。

 Puretunesは、ファイル交換ソフト会社のGroksterとの間で、最初の配信/宣伝契約を結んだ。Puretunesとの提携により、米国でのGroksterの知名度は、ライバルのWebListenよりも高まった。

 しかし、同サービスは提供を開始してから数週間後に、何の事前説明もなくオンライン上から突然姿を消した。加入者の中には、年間料金を事前に一括して支払った人もいる。彼らの話によると、同社に何度メールを送っても全く返事はなく、また返金もされていないという。

 RIAAは、Puretunesがサービスの提供を行っていたわずかな期間に犯した著作権侵害に対する損害賠償を求めている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]