米コービス、デジタル画像の著作権違反で米アマゾンを告訴

 デジタル画像会社の米Corbisは6月30日(米国時間)、Meg RyanやVin Dieselをはじめとするスターの写真など、同社の所有する有名人の写真数百枚の無断コピーを提供したとして、オンライン小売大手の米Amazon.comを相手取った訴訟を起こした。

 Corbisがシアトルの連邦地裁に起こした訴訟では、Amazonをはじめ、少なくとも15のポスター・絵画販売会社が、Corbisのデジタル画像を公然と販売したり、サイト経由で販売を仲介したりして、著作権を侵害したと訴えている。Corbisは販売された作品1点あたり最大15万ドルの損害賠償を求めている。

 「被告には、今回の訴訟の対象であるCorbisの作品画像に対して、模造、表示、配布、コピー、使用などを行なうライセンスも、権限もない」とCorbisの弁護士は訴状に記している。

 Corbisは、被告の小売販売業者らが、デジタルミレニアム著作権法(Digital Millennium Copyright Act:DMCA)に違反して、画像からコピー防止機能を取り除いたとも訴えている。

 Microsoft会長Bill Gatesが1989年に設立したCorbisは、プロの写真家やフォトジャーナリストらと派手な契約を結ぶなどして、数百万もの画像を所有している。同社はこれらの画像を、出版物や企業や個人にライセンス提供している。

 今回の訴訟では、デジタル時代の著作権保有者が直面する問題が浮き彫りになっている。デジタル時代では特に、写真、歌、音楽など、著作権で保護された作品を無断コピーして、インターネット経由で簡単に提供できてしまう。また、こうした議論では、インターネット会社が自社サイトで行なわれているやり取りにどこまで責任を持つのかという問題も争点となる。この訴訟では、Amazonが同社サイトを通じて「信頼できる小売業者」にCorbisの画像を提供させていたとして、Amazonの代位責任を追求している。

 訴状には、「Amazonは被告のサプライヤーの著作権侵害行為を事実上監督・管理することができなかった」と記されている。

 Corbisは以前にも、同社が著作権を保有する作品を販売したとして、他のウェブサイト運営者を告訴したことがあるが、今回のAmazonに対する裁判ほど注目を集めるものではなかった。

 Amazonに電話でコメントを求めたが、すぐには応じられなかった。同社は問題の画像の掲載を取りやめたと報じられている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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