米国の勤労者は1日のうち、約4分の1を電子メールのやりとりに費やしていることが、最新の調査で判明した。
この研究は、米国経営協会が、コミュニケーション管理ソフト会社ClearswiftとePolicy Instituteの協力を得て実施したもので、それによれば電子メールを使う従業員は、1日平均で約1時間47分をメールのやりとりにあてていることがわかった。また、4時間以上と応えた回答者も全体の8%に上った。
一方で、この時間を無駄と感じている従業員は少ない。86%もの従業員はe-mailを使うことで業務の効率が上がったと答え、過半数はかなり効率的であると積極的に評価している。
米国企業の雇用者1,100人を対象とした、この「2003 E-Mail Survey」では、企業が従業員の電子メール利用を頻繁に監視している、という社会通念を裏切る結果が報告されている。社内ネットワーク上に電子メール監視ソフトをインストールしていると答えた企業は90%に上ったが、実際にそれを利用していると回答した企業はわずか19%だ。
この調査レポートの執筆者は、企業に対して、メールの追跡監視を強化し、また運用基準を明確にして、法的リスクを回避し、生産性の低下や、機密情報の外部流出を防ぐよう進言している。
「社内での電子メール利用のチェックを怠ると、結果的に高くつく」とClearswiftの副社長であるIvan O'Sullivan。「従業員の間に交わされるメールでの何気ないおしゃべりこそが、時には訴訟を引き起こし、致命的な証拠を検察側に与え、恥ずかしい思いをするような実話を報道機関に与えてしまうものだ」(O'Sullivan)
また、電子メールが企業にとって潜在的に法的責任を問われる問題の原因にもなり続けていることが、今回の調査でわかった。裁判所もしくは監督機関から電子メールを証拠資料として提出するよう求められた企業は、2年前の9%から14%に上昇している。
スパムの問題は、ネットユーザー全員の悩みの種と騒がれているが、意外にも、企業にとってはあまり大きな問題とはなっていない。不要なジャンクメールは、電子メールの否定的側面の一つとされているものの、スパムメールの処理に無駄な時間を使いすぎていると答えた回答者は12%しかいかなった。それよりも、メールの読み書きに時間を取られすぎていると感じている回答者のほうが多く、19%に達している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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