RIAA(全米レコード協会)は、著作権のある楽曲をピアツーピア(P2P)ネットワークを介して大量に公開している疑いのある個人5名に対して、業務停止命令書を送付したことを明らかにした。
RIAAは、プライバシーや法的責任の懸念から加入者の身元公開を拒むVerizon Communicationsと長期にわたって争った法廷闘争に勝訴したことで、ファイル交換を行っているこれら個人の身元を知ることとなった。
この書簡の送付先となっている5人のうち4人は、先の訴訟で争ったVerizonの加入者だった。RIAAの関係者によると、5人目はEarthLinkの加入者だが、同社は今月初めに控訴裁判所の陪審員が加入者の身元を明らかにするようVerizonに命じたことを受け、この人物の名前の提供に同意している。
RIAAはこれらの容疑者の名前の公表に加え、加入者からの回答の有無や法的手続きを進める計画の有無についてのコメントは避けている。
レコードレーベル各社ではここ数カ月、個人のファイル交換ユーザーに対する追求を強化している。
RIAAは4月に初めて個人に対する訴訟を起こし、P2Pで著作権を侵害している疑いのある学生を提訴している。それまで同協会では、技術を利用するユーザーではなく、ファイル共有技術を提供する企業に対して訴訟を起こしていた。5月には、RIAAに対して1万2000ドルから1万7000ドルを支払う和解命令に、4人の学生が応じている。
先日の判決も、企業ではなく個人を追求するというRIAAの考えを後押ししているかもしれない。RIAAは、GroksterやMorpheusの親会社は、著作権侵害行為を可能にするソフトウェアを提供して、著作権法に違反したと裁判で主張した。しかし4月には、Grokster、Morpheusの各開発元とも、著作権の侵害に対する法的責任はないとして判事が異論を唱え、レコードレーベル各社にはサービスの利用者個人にターゲットを絞る以外に方法が残されなかった。
RIAAのCEO(最高経営責任者)、Hilary RosenはGroksterの判決を受け、「このような不法行為を犯した場合、個人の違反者は自分の匿名性が守られるなどと思わない方が良い」と警告した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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