米ニューヨーク州検察局は米国時間6月13日、米America OnlineのNetscape Communications部門が、SmartDownloadアプリケーションでユーザーのプライバシーを侵害している問題が解決に至ったと発表した。これにより、AOLはニューヨーク州に10万ドルを支払うほか、同アプリケーションで収集したデータを削除し、プライバシー監査に応じることとなった。
SmartDownloadはNetscapeのファイルダウンロード・ソフト。このソフトがユーザーの個人情報を同社に送り返すことから、ユーザー団体は、プライバシーの侵害および電子的監視を禁止する法を犯しているとして、親会社のAOLを訴えていた。今回、調査官は、Netscapeが公表しているプライバシーポリシーに反して、SmartDownloadを利用したユーザーの振る舞いを監視し、ダウンロードしたファイルの格納場所などの操作情報を保存していたとの結論をまとめた。
ニューヨーク州検事長Eliot Spitzer氏は、「企業がデータを収集・管理する方法を正確に表示しない場合は、弁明の責任があると判決するだろう」と述べている。
Netscapeの広報担当者は、「Netscapeでは、調査の対象となったバージョンを、2000年秋以降ユーザーに配布しておらず、ユーザーに不利な影響も与えていない」と、電子メールによる回答のなかで記している。
この判決は、いわゆるスパイウェアやアドウェア製品における消費者のプライバシーへの懸念に光をあてるもの。これらのソフトウェアは、ユーザーのコンピュータ操作を追跡するもので、その機能について最低限しか開示せず、警告しないものもある。また、これらのソフトは、広告に収入を依存しているファイル共有ソフトなど、無償のソフトにリンクされていることが多い。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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