米上院で、著作権保護技術を制限する動き

 情報筋によると、共和党上院議員のSam Brownbackは来週、デジタル著作権管理(DRM)システムの利用を制限する法案を提出する模様だ。この法案では、著作権保護された製品を再販する権利を消費者に与えるとともに、デジタルメディア企業に対しては、商品がコピー防止技術を搭載していることを消費者に明示するよう求めている。

 また、著作権所有者が、PtoPファイル交換で海賊行為を行っている人物の名前を開示させたい場合は、まず訴訟で勝たなければならない。このため、レコード会社や映画スタジオらが争っている著作権保護訴訟の行方を大きく変える可能性がある。

 Brownback法案が成立した場合、連邦取引委員会(FTC)は、消費者のデジタルメディア製品再販の権利を制限しているDRMシステムを禁止する権限を担うようになる。コンピュータソフトウェア、電子ブックやコピー防止付きCD、映画などのあらゆる商品がこの対象だ。

 DRM技術はインターネット上の著作権侵害を防止する方法として、普及しつつある。先月も米Microsoft が支持を表明したばかりだ。米Apple Computerもオンライン音楽配信サービスにこの種の技術を利用している。しかし、一部の消費者団体は、「消費者がバックアップをとる権利を侵害する技術だ」と主張している。

 Brownback法案のその他の主な内容は以下の通り。

  • 連邦通信委員会(FCC)はパソコンやデジタルビデオ製品を製造、販売する企業に対し、特定のコピー防止技術を搭載するよう求めてはならない。
  • 連邦公正取引委員会(FTC)は諮問委員会を設置し、消費者や教育機関などのデジタルメディア製品の利用権を制限する技術について記述しなければならない。
  • FTCは立法化の2年後に報告書を提出しなければならない。報告書には、DRM技術がいかに普及しているか、著作権所有者がどのくらいの頻度でISPから会員の情報を収集しようとしているかについての情報を盛り込むこと。

 自由主義団体の米Cato InstituteのアナリストのAdam Thiererは、FCCの力を制限する点など、Brownback法案の一部を支持している。しかし同時に、DRM技術の規制を連邦政府に求めるのは誤りであるとも述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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