ファイル交換ソフト「Kazaa」を配布するオーストラリアのSharman Networksと、米Brilliant Digital Entertainment(BDE)の子会社Altnetは今週末、ファイル交換ソフトの新バンドル製品をリリースする。この製品には安全性の高い新しいピア・ツー・ピア(PtoP)ネットワークのコンポーネントや、ネットワークに参加したユーザーに参加料を支払うプログラムが含まれる。
AltnetのCEO、Kevin Bermeisterによると、この製品は数千万人に上るKazaaユーザーのコンピューティングリソースを使って、ゲーム、楽曲、映画など合法的なファイルの配信を行うというもの。利用者に有料ファイルのホスティング/交換を促すことで、合法のコンテンツ配信を行うための強力な媒体の構築が可能となり、またネット上の著作権侵害行為の温床といわれるファイル交換ネットワークの悪いイメージも払拭できるかもしれない、とBermeisterは語る。
「無認可ファイルを共有フォルダから除外し始めるや否や、(著作権侵害の温床としての)PtoPネットワークは無くなって行く」とBermeisterと語る。「(アメとムチの喩えで言うと)提訴がムチとすれば、この方法はアメだ」(Bermeister)
Kazaaは圧倒的人気を誇るオンラインファイル交換ソフト。AltnetとKazaaにとってこの新サービスの開始は、まさに画期的出来事といえる。Kazaa を使って認可ファイルの販売を行うというBermeister の計画は、Sharmanが2002年始めに設立されて以来、同社の戦略の手段的な部分を構成してきた。
またこの試みは、現段階のファイル交換ネットワークが 著作権侵害に使用される場合と同じくらい容易に、合法的ビジネス用のホストとなり得るかを試す、初めての大規模なテストでもある。この問題はPtoP支持者の間で長年議論されてきたが、これまではごく限られた範囲の小規模なテストしか行われてこなかった。
AltnetとKazaaとの関係が生まれたのは1年前のことだ。当時Altnetの親会社のBrilliant Digital Entertainmentは米証券取引委員会(SEC)に提出した報告書の中で、数百万人に及ぶKazaaユーザーを新たな販売ネットワークに取りこむ計画を明らかにした。
両社とも、この計画についてKazaaユーザーに通知しなかったため、このニュースは「スパイウェア」の横行やコンピュータの乗っ取りを引き起こすのでは、との懸念を呼んだ。しかしAltnetが最初に明らかにした内容から、Overtureなど多くのポータルサイトで見られる有料サーチリスティングに近いものだということが明らかになった。これは、各企業がAltnetからKazaa内の検索語を購入すると、通常の検索結果と共に企業の製品へのリンクが表示される仕組みだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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