米Microsoftは、ウェブブラウザInternet Explorer(IE)のスタンドアローン版提供をまもなく終了するという。IEプログラム責任者Brian Countrymanが、同社ウェブサイトに掲載されたインタビューのなかで明らかにしたもの。
「IEはオペレーティングシステム(OS)の一部として進化を続けるので、今後はスタンドアローン版は出さない。スタンドアローン版としては、IE6 SP1が最後となる」とCountrymanは5月7日のインタビューで述べた。
Microsoftでは、IEとWindowsオペレーティングシステムのバンドル提供が反トラスト法違反に当たるという司法判決を受け、IE 6のスタンドアローン版をリリースしていた。同社はその後、司法省など原告側のほとんどと和解したが、追加的な是正措置を求め妥協に応じていない原告がまだ一部残っている。
Countrymanは同インタビューのなかで、スタンドアローン版ブラウザの廃止決定は、反トラスト法訴訟の進展と関係があるのかとの問いかけに対して、これを一蹴し、むしろ次期Windows OS(コードネーム「Longhorn」)で予定されているセキュリティの強化が、この決定に至った背後にあることを示唆した。
Longhornでは、セキュリティ面に大幅な手直しを施したNext-Generation Secure Computing Baseと呼ばれる技術が導入される。なお、この新技術は以前Palladiumと呼ばれていたものである。
同セキュリティ技術に批判的な人々は、Next-Generation Secure Computing Baseが導入されると、ユーザーが自分のパソコンやデータを制御できなくなったり、Microsoftが市場シェアの確保にこの新セキュリティ技術を利用したりするのではないかとの懸念を表明している。いっぽうで、企業の保有するデータをソフト、ハードの両面から保護できるようになると、そのメリットを擁護する人々もいる。
「過去のOSは、IE6 SP1が追加された時点で、もうこれ以上の発展を望めないところに達していた。今後のIEの改善には、その根底にあるOSの強化が必要になる」(Countryman)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」