Robert Wexler(民主党、フロリダ州選出)、Adam Smith(民主党、ワシントン州選出)、Tom Feeney(共和党、フロリダ州選出)の3名の米下院議員が、著作権侵害対策および、より強力な知的所有権法の促進に専念する新しい議員会議(コーカス)の設立に向け準備を進めている。
Wexlerは16日(米国時間)に議員数名に宛てた書簡の中で、「日々進化し続ける技術」の脅威について警告し、コーカスへの参加を呼びかけた。「知的所有権の侵害によって生活を脅かされている多くの国民の抱く懸念への、議会での議論や対応が不十分だ」(Wexler)
Wexlerの代理人は19日、この新しいコーカス(正式名称はCongressional Caucus on Intellectual Property Promotion and Piracy Prevention)の設立計画は、まだ初期段階であると述べた。「先週末に文書を提出したばかりで、まだ設立の準備段階」と述べ、まだ誰にも参加の要請はしていないが多くの下院議員の参加が見込まれると、この代理人は付け加えた。
Wexlerは昨年、大手レコード会社の支援を受け、著作権者にPCを使った不正なファイル交換の防止措置を認める法案を、他の下院議員数名と共同で提案した。また著作権法案を作成する下院司法小委員会の委員も務めている。
Wexlerと並んで、コーカスの共同設立者に名を連ねるAdam Smithは、昨秋同僚の民主党議員74名に向けて、LinuxオープンソースOSが準拠しているGNUゼネラルバプリックライセンス(GPL)を、合衆国の「イノベーションと安全保障」を脅かすものと攻撃するメモを送った人物。Smithの地盤であるワシントン州第9選挙区には、Microsoftが本社を置くレッドモンドに近接するシアトル郊外の含まれる。
第108回議会でホットな話題として浮上した知的所有権の問題に対して、この新コーカスの設立で、新たに焦点が当てられることになりそうだ。ただし、それがPtoPの著作権侵害に対応するための新法制定に対して、即座に何らかの影響を与えられるかどうかはまだ明らかではない。今回のコーカス設立の背景には、米議会がPtoPの著作権侵害問題の調査により多くの時間を費やしているという事情がある。最近開かれたある下院委員会の公聴会では、PtoPネットワークが不正なポルノ画像の拡散を助長しているとの批判の声があがり、また別の公聴会では大学が広く蔓延している悪質な著作権違反行為の温床となっていると指摘された。
全米レコード工業会(RIAA)会長のHilary Rosenは、CNET News.comに宛てた電子メールの中で、コーカスを設立し知的財産権の保護および侵害行為の防止についての国民的議論に焦点を当てようとしている下院議員たちに対して、RIAAは賛辞を送りたいと述べ、新コーカス設立に向けた動きを歓迎する意向を示した。
現在、議員コーカスはCongressional Kidney CaucusやCongressional Natural Hazards Caucusなど数百存在する。そのなかには、Congressional Black Caucusのように、法律制定に積極的な役割を果たすほど力のあるコーカスもある。またCongressional Internet Caucusのように、コーカスの諮問委員会が政治的影響力を及ぼすための手段となっている場合もある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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