DVD複製ソフトウェアを巡る著作権裁判の審問が、米国時間5月15日に始まった。DVD複製ソフトウェア会社の321 Studiosと映画会社7社が真っ向から対立している今回の審問だが、判事が早急な結論を避けたため、同日の結審には至らなかった。
映画会社7社は321 Studiosの複製プログラム、DVD X CopyとDVD Copy Plusの販売差し止めを求めている。これらのソフトウェア製品はDVDの著作権保護機能を回避することができるため、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に違反するというのが原告の主張だ。
DMCAがらみの裁判はこれだけではない。以前の訴訟では、ハッカー向け雑誌出版の米2600 Magazineが、DVD著作権保護機能の回避に使用できるコードの掲載停止を命じられた。これとは逆に、電子ブックの著作権保護機能を回避できるソフトウェアを販売したロシアのソフトウェア会社ElcomSoftの場合は、刑事責任は問えないとして原告の訴えが棄却された。
今回、原告側は審問で「被告である321 Studiosのソフトウェアは、DVDの著作権保護機能を解除し複製を行なう。これはDMCAに違反する」と訴えた。さらに「消費者がDVDを複製した後にどうするかは問題ではなく、DVD著作権保護機能を解除した時点でDMCAに抵触する」と主張した。
審問では、判事が被告側の担当弁護士Darlyn Durieに対して、DMCAの適用範囲に関する質問を浴びせかける一幕も見られた。例えばDurieが「原告は被告が泥棒向けの道具を提供するかのような、誤った主張を行っている」と述べると、判事は「法の下で問題にすべきは、著作権保護機能を回避する装置だ」と応酬した。
またDurieが「被告の製品は著作権侵害者を対象に販売しているのではない」と述べると、判事は「しかし、実際には著作権の保護機能を回避するために販売されている」と返した。
審問終了後、321 Studiosの最高経営責任者(CEO)のRob Semaanは「判事の質議は気にしていない。Durieは判事が検討すべき項目を提案したと思う」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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