米Yahoo!は米国時間5月15日、2003年第1四半期業績に関する書類を米証券取引委員会(SEC)に提出した。この書類で、同社の売上高の約5分の1が、提携先である米Overture Servicesの有料広告によってもたらされたものであることがわかった。
同期におけるOvertureとの提携事業による売上高は約5400万ドル。これは同期におけるYahoo!の全売上高の約19%に相当する。Overtureとの提携事業による前年同期の売上高は2300万ドル(全売上高に占める割合は12%)だったので、2倍以上に増大したことになる。
Overtureは、Yahoo!サイトの検索結果ページ上部に、「SPONSOR RESULTS」と呼ぶ、スポンサー企業による検索結果リストを表示するサービスを提供している。ウェブ利用者がそれらのリンクをクリックすると、Overtureは広告主から料金を徴収し、その料金をYahoo!と分け合う仕組みになっている。
Yahoo!は、Overtureとの提携で好業績を連発している。この4月には4四期連続の黒字と、2四期連続の広告増収を報告したばかり。コストを伴わない売上がOvertureから入ってくるということが好業績の一因である。もし第1四半期に5400万ドルの売上がなかったら、純利益4670万ドルは実現できなかっただろう。
ところで業界アナリストの間では、「今後はYahoo!が独自の有料広告事業を展開し、Overtureから手を引くだろう」との見方がある。なおYahoo!とOvertureとの契約は2005年4月までだが、これには2011年までの期間延長オプションがついている。また、Yahoo!には今年初めに確定した短期無利子融資7億5000万ドルがあるため、Overtureを買収するのではないかという見方もある。
しかし、米U.S. Bancorp Piper Jaffrayのシニアアナリスト、Safa Rashtchyはそうした見方に懐疑的のようだ。「Yahoo!はOvertureとの提携に満足している。Yahoo!にとっては、現在Overture側にかかっているコストを一切気にすることなく利益が得られるからだ。自らのポータルサイトが自動的にお金を生んでくれるという構図になっている。Overture依存型の利益創出構造という現状においては、何かをするとリスクも増大することになる。Yahoo!が万一、有料広告サービスを自社構築するとなると、利益率は大幅に下がってしまうだろう」(Rashtchy)
Yahoo!の第1四半期売上高は、(1)マーケティングサービス(2)課金サービス(3)情報提供サービスの3カテゴリーに分類されている。そのうち、既存のオンライン広告やOvertureとの有料広告提携を含むマーケティングサービスの売上高は、前年同期比38%増の1億9000万ドルに増大した。これに関して、Yahoo!チーフのTerry Semelは先月、「Overtureからの広告代金を除いた場合でも、マーケティングサービスの売上高は前年同期比で"2ケタ台"の伸びを見せている」と強きな発言をしていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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