米連邦・州当局は米国時間5月15日、新たな積極的スパム撲滅策として、ジャンクメールを大量に配信する際の経路となる「オープンリレー」サーバの特定に乗り出すことを表明した。
米当局はテキサス州ダラスでのイベントの席で、オーストラリア、カナダ、日本の当局と提携し、オープンリレーは「世界中の消費者や警察、そしてあなたの組織に問題を引き起こす」旨の警告文を、世界中にある1000台以上のメールサーバの管理者宛てに送ったと述べた。
連邦取引委員会(FTC)はオープンリレー問題専用のウェブサイトを立ち上げた。「スパム業者はこういったオープンリレーサーバを探し出し、そのサーバリソースを乗っ取る」とFTCのスタッフである弁護士Marc Gromanは言う。「彼らはフィルタを迂回し、警察を避ける。そして罪のない団体の評判に傷をつける。だから世界中のオープンリレーを閉鎖したいのだ」
FTCのほかにも、米証券取引委員会(SEC)、U.S. Postal Inspection Service、3つの連邦検察局および4つの州検察局が、このプロジェクトに参加している。
15日の発表は、今月3日間にわたって開催されたFTCのスパムサミットに続くもので、近年行なわれているインターネットの厳重な取り締まりの第4弾となる。当局はオープンリレー対策以外にも、インターネットを不正に使用して詐欺まがいのスパムを送付したり、医師の処方箋が必要な薬、在宅仕事の斡旋やメリットのはっきりしない金銭的支援の機会などを売りこんだ人々に対し、45件の訴訟を起こしたという。
オープンリレーとは、ローカルネットワークで認証されたユーザのメールだけでなく、インターネット上の任意のメールを転送するメールサーバのこと。スパム業者は、大量の電子メールを転送するのに、このようなオープンな設定のサーバを利用している。
スパム対策活動家の多くは、オープンリレーの閉鎖かもしくはブラックリストへの掲載こそ、スパム撲滅のための最優先事項だと考えている。しかしながら、インターネットの先駆者でElectronic Frontier Foundationの共同設立者John Gilmoreらは、オープンリレーを禁止すると、コストが利益を上回ってしまう上、インターネットプロバイダに他にも制約を課すことになる恐れがある、と指摘している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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