サンフランシスコを拠点とする反スパム非営利団体のSpamCon Foundationは米国時間5月7日、反スパム支援の基金設立を明らかにした。
SpamConが基金設立に至ったきっかけは、電子メールマーケティング企業の団体EMarketersAmericaとSpews.orgの訴訟だ。Spews.orgは、スパム業者ブラックリストを掲載したサイトを運営しており、同リストはしばしば批判の的となっている。EMarketersAmericaは、「Spews.orgがEMarketersAmericaメンバーのIPアドレスをブラックリストで公開し、不当な経済的損害を与えた」としてSpews.orgを提訴した。ISPはこうしたブラックリストを参考にして、迷惑メールを遮断しているのだ。
SpamConは、「Spews.orgはスパム活動をしている疑いのある組織の情報を公表する権利を履行したに過ぎない」と弁護。また、電子メールマーケティングや迷惑メールを取り締まる法律に影響を与える訴訟に対し、資金援助する方針を明らかにした。
SpamConは資金援助の対象を決める法律諮問委員会を設置する。なお、企業や個人は同基金に寄付金した場合、税金控除の適用が可能だ。
SpamConの常任理事のAndrew Barrettは、声明で次のように述べている。「(法律諮問委員会で)選びだした係争に資金援助することにより、同様の訴訟に対する強力な先行事例を作り、人々がスパムと戦うための効果的な手段を確保する」
スパムメールが昨年から激増するにつれ、その防御法も一層激しさを増し、ブラックリストはスパム議論の争点となっている。ブラックリスト反対派は、ブラックリストが合法的な電子メールのソースも遮断してしまうため、効果よりも被害が大きいと主張する。連邦取引委員会(FTC)が先週3日間にわたって主催したスパム問題に関するサミット会議で、出席者はブラックリストの合法性について熱く議論を戦わした。迷惑メールを阻止するのに必要な手段だという意見が出る一方、リスト所有者が独断でウエブサイト運営者をスパム業者と決めつけすぎるとの意見もあがった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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