米Apple Computerは米国時間4月28日、デジタル音楽のオンライン販売サービスiTunes Music Storeと、MP3対応デジタル音楽プレーヤーiPodの「薄型」モデルを発表した。iPodを含め、数々の業界基準ともいえる製品を発表してきた同社だけに、iTunes Music Storeには大きな期待が寄せられている。
Appleの経営最高責任者(CEO)、Steve Jobsはこの日、サンフランシスコのモスコーン・コンベンション・センターで、「デジタル音楽の購入において、新たな時代が到来した」と述べた。過去には、デジタル著作権管理(DRM)技術に対して辛口批評を行ってきたJobsだが、同日は次のように説明した。「これまでのオンライン音楽配信サービスは、違法なものか、魅力に欠けるかのいずれかだった。iTunes Music Storeでは、大手レーベル5社と画期的な契約を結ぶことができた。他に有料かつ合法的なサービスは見当たらない」(Jobs)
iTunes Music Storeでは、大手レーベル5社のすべてが楽曲を提供しており、そのラインアップは20万曲にものぼる。また、ボブディランやU2といった一部のアーティストについては独占販売の楽曲を用意する。サービス利用については会費はない。ユーザーはダウンロード1曲につき99セントを支払えばよい。
iTunes Music Storeは、既存のオンライン配信サービスと比べた場合、楽曲の複製に関する規制が最も緩いといえる。iPodプレーヤーへの転送は自由に行うことができ、CDの作成も無制限である。さらに最大3台までのMacintoshコンピュータでアクセスできる。ユーザーは購入前に無料で30秒間の試聴が可能だ。
iTunes Music Storeは現在のところ、Macintosh向けのジュークボックスソフトウェア、iTunesの最新版iTunes 4のみで利用可能。このiTunes 4はMac OS X搭載のMacintoshでのみ利用可能となっている。
つまり、iTunes Music Storeは現在、Mac OS X搭載のMacintoshとiPodだけで利用可能ということになる(iPodの旧機種についてはソフトウェアのアップグレードで対応する)。Windows向けのサービスについては、「今年終わりまでに開始する予定」(Jobs)という。
iTunes 4は、Appleのネットワーク技術、Rendezvousを採用している。これによりネットワークにつながったMacintosh間で音楽コレクションの共用が可能になる。ただし、これは楽曲をストリーミングで流すことで、他のMacintoshからでも聴けるようにするというもの。デジタルデータのダウンロード(コピー)とは異なり、ネットワークに接続している間だけ利用できる。
iTunes 4では、音楽ファイルのエンコードフォーマットにAACを採用しており、iTunes Music Storeで販売する楽曲すべてがAACフォーマットとなる。ただし、iTunes 4ではMP3もサポートする。「(AACは)MP3などのエンコード形式と比べて効率的な上、クオリティーは音楽CDに匹敵する」(Apple)という。
新型iPodの厚さは、CDケースを2枚重ねた程度に薄くなった。価格は10Gバイトモデルが299ドル、15GGバイトモデルが399ドル、30Gバイトモデルが499ドル。上位2機種には、パソコンやホームステレオに容易に接続できるDock(ドック)が付く。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス