米政府機関、反検閲ソフトで「中国の民主化を支援」

 米国政府機関のInternational Broadcasting Bureau(IBB)は、検閲をくぐりぬけてウェブ情報を入手できるソフトウェアの開発を、反検閲活動家のBennett Haseltonに依頼したことを明らかにした。インターネットの検閲が厳しい中国で、ウェブ利用者などに米国のニュースとプロパガンダを伝え、「民主化への入口」を提供することが目的だという。

 通常、インターネットの検閲にはファイアウォールが使用される。このソフトウェアでは、ファイアウォールで遮断されない第三者のコンピュータを利用して、ファイアウォールの壁をくぐりぬける仕組みだ。これには暗号プロトコルのSSL(Secure Sockets Layer)を利用する。ユーザーはWindows XPや同2000にこのソフトウェアをインストールし、ファイアウォールを迂回するウェブサーバの簡易版を設定できる。これにより、政府や企業などが配備したファイアウォールをくぐり抜け、ウェブサイトを閲覧することができるという。

 IBBは、ラジオ番組Voice of America(VOA)をインターネットや短波ラジオで放送している。IBBのインターネット反校閲部門でプログラムマネージャーを務めるKen Bermanによれば、「中国政府は、IBBのすべてのラジオ放送を妨害し、中国のウェブユーザーがIBBのサイトにアクセスできないようにしている」という。「我々の番組を視聴できるようなツールを、中国のウェブユーザーが利用できるようにしたい」(Berman)

 中国政府は、インターネットで厳しい制限を敷いている。米国に次ぐウェブユーザー数を抱える中国だが、サーチエンジンAltaVistaへのアクセスを完全に禁止し、さらに米Yahooなどの欧米企業に対して、中国でのウェブコンテンツを自粛するよう説得を行った。米調査によると、中国では1万9000のウェブサイトがアクセス禁止となっている。その分野はニュース、保健、政治、娯楽など様々だ。

 しかし、人権団体のAmnesty Internationalは、「Microsoft、Sun Microsystems、Cisco Systemsなどが検閲を行うための技術を中国に提供している」として、これらの企業を含めた33社を名指しで非難している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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