2002年の世界音楽市場、前年比7%減

 国際レコードビデオ製作者連盟 (IFPI)が米国時間4月9日に発表した調査結果によると、全世界で音楽CDやレコード、カセットの販売が3年連続で減少している。

 2002年、全世界の音楽販売は前年比7%減少し、米国は同10%減少した。全世界のCDの売上高は同6%低下、シングルCDとカセットの売上高は急落した。

 IFPIは、米国でオンラインの楽曲ファイル交換サービスなどが台頭したことが販売低下の要因だとしている。IFPIの最高経営責任者(CEO)のJay Bermanは、「DVD映画やビデオゲーム端末機などの他の娯楽産業との競争を強いられている音楽業界に、不法サイトの普及が打撃を与えた」と説明する。

 レコード業界の調査では、音楽ファイル交換サービス愛用者の多くは楽曲の購入に消極的という結果が出た。しかし、これについては賛否両論に分かれる。他の調査によると、サービス愛用者は購入の意思があり、購入の検討材料となる情報を仕入れるために楽曲をダウンロードするという。

 Bermanの指摘のように、一部の消費者が娯楽支出の対象をCDからDVDに移行しているのは事実だ。DVD関連の業界団体DVD Entertainment Groupによると、2002年、DVDの売上高は前年の約33億ドルから61%増の87億ドルに増加した。米レコード協会(RIAA)の調べでは、2002年の米国内音楽販売はDVDと対照的に、前年から10億2000万ドル減の126億ドルとなった。

 この調査結果について、NapsterやKaZaAなどのファイル交換サイトに対する音楽業界の攻撃に批判的な意見を持つ人は、単に良い音楽が売り出されていないだけだと指摘し、「消費者はCDよりDVDの方が購入の価値があるとみている」と述べる。しかし音楽業界は、「多数の人が違法サイトを利用して無料で音楽をダウンロードし、支出をDVDに回していることの表れだ」と主張している。

 また、IFPIの調査では著しい地域差がみられたという。日本の音楽販売は前年比9%減少しており、IFPIは「CD-Rによるコピーが販売を妨げている」と分析する。CDコピーの設備が店頭にあるドイツも、同9%の減少となった。フランスは国内アーティストの需要が高まり、同4%増加。英国は、過去5年続いたプラス成長が横ばいになった。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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