電子メール分析で組織内の人間関係が浮き彫りに

 米Hewlett-Packard(HP)が実施した最新調査によると、電子メールの交換パターンを調査することで、組織内のコミュニケーション構造がわかるという。

 HPの研究者は、電子メールの流れをグラフ化することで、組織内における公式/非公式のコミュニティを判別できると主張している。また、各グループのリーダーも特定できるという。データを分析し、グループやリーダーを認識するのに数時間しかかからないことが、この方法の利点だ。このデータ分析は自動で行う。「電子メールの宛先と送信元のログデータだけで、実際のコミュニティを効率よく判別できることがわかった」(HP研究所)

  今回の調査では、HP研究所の従業員485人が2カ月間でやりとりした電子メール18万5773通を対象にした。調査方法は、まず電子メールの宛先を調べ、誰と誰が通信しているかを分析する。そして、グラフを個々のグループに区切るアルゴリズムを使い、それぞれのグループを特定する。その後、研究所の従業員をインタビューして、コンピュータが特定したグループと実際の部門やチーム構造を比較した。この結果、インタビューした16人全員が、コンピュータ分析で特定されたグループと実際のグループがほぼ一致していると答えた。

 HPは、この方法で「コミュニティの中核を成すリーダーシップや共同作業の見えない図式を浮き彫りにできる」と説明する。実務レベルでは、たとえば管理職が電子メール調査で収集した情報を利用して、チーム内で円滑なコミュニケーションを目指すなど、企業運営に役立てることができる。

 このような調査がプライバシー保護問題を提起する可能性はあるが、HPによると「組織の勢力構造を調べるには電子メールのメッセージ内容は必要ない」という。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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