ハイテク企業の団体が政府の著作権保護法の制定に反発を示し、制定を後押しする映画業界と真っ向から対決することとなった。
ハイテク企業各社は米国時間1月23日、「Alliance for Digital Progress」(ADP)を結成し、著作権保護法案に対して反対の立場を明らかにした。
ADPのメンバーは、米Apple Computer、米Microsoft、米Dell Computer、米Cisco Systems、米Hewlett-Packard(HP)、米Intelなど。
ADPが異議を唱えているのは、Fritz Hollings(民主党・サウスカロライナ州選出)上院議員が昨年提出した、「Consumer Broadband and Digital Television Promotion Act」(CBDTPA)。同法案は、今月始まる第108期国会で審議されることになっている。法案が可決された場合、ハイテク企業は米国や海外で発売されるパソコンや家電などの「デジタルメディア機器」に、連邦通信委員会(FCC)の定義した著作権侵害防止技術を搭載しなければならない。
アメリカ映画協会(MPAA)は、全米レコード工業会(RIAA)よりもHollings法案制定にはるかに熱心だ。MPAA会長のJack Valentiは、「ハイテク企業の連合は戦争を挑発するものだ」と非難している。「MPAAは、映画の盗用を防ぐために双方が合意できる結論に達しようとしているのだ。ハイテク業界を相手に戦っているわけではない」とValenti会長は述べる。
一方、ADPの足並みは揃っているとは言い切れない。Citizens Against Government Waste(政府の無駄遣いに反対する市民の会)やCompetitive Enterprise Institute(CEI)などのメンバーは、概して自由放任主義の姿勢をとっている。CEIは、ハイテク業界と映画業界が合意したものであったとしても、政府の命令に対してはすべて反対すると述べている。
これと対照的に、同じくADPのメンバーであるDigitalConsumer.orgは、政府の命令に必ずしも反対することはなく、目標は「消費者が自らの権利を公正使用できるようにすること」だと主張する。
FCCは、デジタルメディア機器メーカーや消費者団体、著作権所持者が著作権保護の基準について合理的な合意に達するかどうか、CBDTPAの制定から1年後に判断を下さなければならない。法律制定後6カ月目に、FCCは国会に暫定的な進度報告書を提出する必要がある。1年後にFCCが合意に達すると結論付けた場合、この基準を承認して法律効力を与える。さもなければ、FCCは独自の規制を設けるという仕組みになっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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