地域通信大手の米SBC Communicationsが、ウェブサイト内のリンクにタブ枠を使っている企業に対して、特許使用料金を請求する動きに出た。幅広く利用されている手法だけに、影響を受けるサイトは膨大な数になりかねない。
教育関連の商品を販売している米Museum Tourは先週、SBC Communicationsから特許侵害を指摘される手紙を受け取った。Museum Tourのサイトが、SBC Communicationsが保有する特許2件を侵害しているというのだ。Museum Tourは最高で5000万ドルに及ぶライセンス料を請求され、またSBC Communicationsと特許契約を結ぶよう要求されている。
SBC Communicationsの知的所有権部門プレジデントHarlie Frostは、手紙の中で次のように主張している。「Museumtour.comのサイトには、サイト内の異なるウェブページを指しているタブがある。そのタブはある1つの枠の中にあり、サイト内でページが変わってもその枠は常に表示される。こうした仕組みとその一連の機能が、SBC Communicationsの持つ特許を侵害している」(同氏)
Museum Tourの社長Marilynne Eichingerは驚きを隠せないようだ。「このような手法は一般的に使われているものだ。多くの企業がこの種の手法を用いている中、なぜ我々がこのような手紙を受け取ったのか分からない」(同氏)
近年、特許取得プロセスに対して非難の声が挙がっている。企業が取得した特許の中には、すでにインターネットで一般的に使用されているものが多いからだ。
例えば、シカゴの企業サービス会社Divineが、同社の持つeコマース用ショッピングカートの特許を侵害されたとして複数の企業を訴えている。また、オンライン書籍販売大手のAmazon.comは、同社の「1-Click」特許で収益をあげようとしている。そうした同社の姿勢に対してボイコットを呼びかける団体もある。
インターネット技術の支持者らは、企業が特許権利を強力に行使することに対し、「特許料が障害となり広く普及しているウェブ技術が使わないようになる。これは技術革新を阻害する」と、抗議の声を挙げている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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