Encyclopedia Britannicaは同社百科事典のオンライン版で利用者による編集を認める方向に動いているが、Wikipediaは自らを制限する方向に向かおうとしているようだ。
Wikipediaは、保護措置の強化を目的に、すべての編集に「信頼できる」利用者の承認を義務づけるよう編集手続きの変更を検討している模様だ。提案されているのはいわゆる「Flagged Revisions(フラグ付き改訂)」方式で、信頼できるとして登録された複数の編集者による編集はすぐにサイトに反映されるが、それ以外の編集はWikipediaのいずれかの登録編集者による承認がなければ反映されない。
先週、Ted KennedyとRobert Byrdの両米上院議員が大統領就任式に伴う昼食会後死亡したとする、事実に反する記事が掲載されたが、その対策として提案されたもの。
Wikipediaの創立者Jimmy Wales氏は、公開討論のページで、「フラグ付き改訂方式ならこうした馬鹿げた記事は100%防ぐことができる」とし、新たな記事を速やかに反映できるだけの柔軟性がある一方、従来散見されていた悪ふざけを防ぐ効果があると述べている。
この方式はドイツ語版ではしばらく前から取り入れられている(あるWikipedia利用者によると、5月から部分実施、8月からは完全実施されているという)。しかし、同氏は、ドイツ方式には編集から掲載まで最長3週間かかるという大きな問題があるとし、次のように述べている。
「われわれの場合は一部だけを対象にし承認待ちの量を見ながら適用範囲を調整する。したがって、遅れは最小限になるだろう(1週間以内、うまくいけばもっと早く)」
フラグ付きになる範囲や詳細な条件は、公開討論のページでは明らかにされていない。
Wales氏によると、投票をした利用者の60%はこの変更を承認しているという。皆さんはどのようにお考えだろうか。Wales氏のページでの討論への参加はまだ可能だ。同氏は、フラグ付き改訂方式に反対するのであればウィキにおける不正行為を防ぐ現実的な代替策を提案するよう求めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」