「検索エンジンでのサムネイル画像の表示は合法」:米控訴裁判決

 米連邦控訴裁判所は7日(米国時間)、検索エンジンにおけるサムネイル画像の表示は、著作権法に基づく公正な使用に当たるとの判決を下した。しかし、通常サイズでの表示の合法性については判断を保留している。

 画像検索エンジンArriba Soft(現Ditto.com)と写真家Leslie Kellyとの間で争われていた裁判は、第9巡回控訴裁判所が下した今回の判決により、被告であるArriba Soft側の一部勝訴となった。Kellyは1999年4月、Arriba Softが同社のソフトを使い、同氏のデジタル写真のサムネイル(画像を小さく表示したもの)や通常サイズの画像を記録し、検索エンジンを介してアクセス可能な状態にしたとして、著作権侵害を理由に同社を提訴した。

 第9巡回控訴裁判所は、検索エンジンでのサムネイル画像の使用は合法との判決を下し、2002年2月に同裁判所が下した判決を追認した。一方通常サイズの画像の表示については、同裁判所はかつてKellyの作品の市場に損害を与える可能性があるとして公正な使用の範囲外と結論づけたが、今回その判断を撤回した。

 同判決の通常サイズ画像の表示に関する部分により、Arriba Softは、新規のウィンドウを開いて通常サイズの画像を表示する、インラインリンクあるいはフレーミングと呼ばれる技術を使用していた点について、著作権侵害の罪に問われる可能性がある。Arriba Soft以外でこの技術を使用している検索エンジンとしてはGoogle、Lycos、AltaVistaなどが挙げられる。この件は裁判にかけるよう命令が出された。

 控訴裁は、意見の中で「地方裁判所は(サムネイルに関する)最初の判決で、Arribaの使用は公正なものという正しい判決を下した。しかし第二の判決に関しては、どちらの当事者も即決裁判を要求しなかったことから、地方裁判所はこの問題について判決を下すべきではなかった」と述べた。

 原告のKelly側の弁護士Steve Krongoldは、今回の判決にも関わらず勝訴への自信を見せた。

 「通常サイズの画像は他人のウェブサイトから入手したものであり、またArriba Softの製品/サービス販売に利用されているにも関わらず、それらの画像の表示が公正な使用にあたるとの判断には到底納得できない」(Krongold)

 判決直後のDitto.comのコメントは得られなかったが、控訴裁に対し著作権法で保護された画像へのリンクを認めるよう要望書を提出していた電子フロンティア財団(EFF)は今回の判決を勝訴とみなしていると語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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