チップメーカーのIntelは米国時間4月7日、マンハッタンで開催された同社イベント「Tech Heaven」で、かなり制限された状況下ではあるが、脳波を読み取ることにより、人の思考を知ることのできる、開発中のソフトウェアをデモした。同社は、カーネギーメロン大学とピッツバーグ大学と共同で、MRIによってスキャンした脳波を、コンピュータが認識できる形に変換するためのソフトウェアとインターフェースの開発に取り組んでいる。
同技術は、まだ初期の研究段階にあるものの、研究者らはその将来性を有望視している。Intel Labsのシニア研究者であるDean Pomerleau氏が実施した予備実験では、「barn(納屋)」「house(家)」「screwdriver(ねじ回し)」など、かなり具体的な物質を表すいくつかの単語を被験者に見せ、その間に同システムによって被験者の脳をスキャンし、その活動を記録した。
そのスキャン結果からは、非常によく似た脳の活動を生成する単語と、まったく異なるレベルの活動を生成する単語が存在することがわかった。同ソフトウェアは、その類似パターンと非類似パターンを利用して、脳が考えていることを解読する。
さまざまな単語に対する脳のパターンをコンピュータで解析した後、被験者らは、2つの新しい単語のうちの1つを思い浮かべるよう求められた。そしてコンピュータにより、先ほどの脳スキャンの結果に基づいて、被験者がどちらの単語を思い浮かべているかを判定させた。今回の実験では、コンピュータによる正答は10件中10件、つまり正答率は100%であった。
今回の初期研究では、通常のMRI装置と同じ大きさのMRIおよびスキャン装置が使用された。しかし、この技術の縮小化には世界中の研究者が取り組んでおり、将来的には同装置を、帽子の中に埋め込めるほど小さくすることができるとPomerleau氏は期待している。
このシステムがより消費者向けのものになれば、人々は念じることでコンピュータやロボットを利用可能になるだろうとPomerleau氏は考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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