マイクロソフトは3月15日、Windows製品の偽造ソフトウェア対策を強化すると発表した。同日から、Windows 7向けのソフトウェア違法コピー対策用プログラム「Windows Activation Technology Update」(WAT Update)の自動配信を開始している。
WAT Updateは、アクティベーション処理と不正ライセンスの検出や削除、復旧を行うWATと呼ばれる技術を採用している。これまでの認証技術「Windows Genuine Advantage(WGA)Notifications」とは異なり、不正なコードを削除したり、不正認証のために崩壊したシステムを修復したりできる。
WAT Updateでは、Windows 7の提供開始以降に検知された70種以上の不正認証を検出可能。ユーザーのコンピュータにインストールされているWindows 7が正規品かどうか、適切にライセンスが供与されているかどうかをそれぞれ確認する。アップデート後は、90日ごとに更新プログラムがユーザーに通知される。
マイクロソフトのコマーシャルWindows本部 本部長である中川哲氏は、不正ライセンスの販売方法について、「オンライン市場を中心にCOA(Certificate of Authenticity)ラベルやライセンスキーのみが販売されている。また、中古PCに不正ライセンスをプリインストールして販売する悪徳再生PC事業者もいる」と説明。このような背景を踏まえ同氏は、「中古PCを購入する際は、すべてのライセンスメディアが一式揃っているか。もしくは正規ライセンスをセカンダリライセンスとして組み込んでいるPCかを確認してほしい」と訴える。
マイクロソフトは同日、中小規模の再生PC事業者に正規のWindows OSをライセンス提供する「Microsoft Registered Refurbisher(MRR)プログラム」を、5月から展開すると発表している。同社とオンライン上で簡易契約を結んだ再生PC事業者に対して、OEM正規販売代理店経由で正規ライセンスを提供する。
対象PCには正規のCOAラベルが添付され、再生PC事業者が適切なデータ消去や動作検証、故障修理などを行ったことを証明する。対象製品は、Windows XP Home EditionおよびWindows XP Professional。再生PC事業者はライセンス購入代金のみ必要となり、プログラムへの参加には料金は発生しないとしている。
マイクロソフトは今回のMRRプログラムとは別に、2009年4月から「Microsoft Authorized Refurbisher(MAR)プログラム」を提供している。2010年3月に日本IBMとメディエイターが参加し、同プログラムの参加企業は11社にのぼる。
中川氏は、「MARプログラムでは正規ライセンスのプリインストールに厳密な契約が必要」としている。合わせて、中古PCの取扱量にもある程度のボリュームが求められ、規模の小さな再生PC事業者ではプログラムへの参加が難しいという問題があった。今回のMRRプログラムの開始により、中小規模の事業者が正規ライセンスのWindowsを導入した中古PCの販売を、より行いやすくすることを狙う。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力